29.バスを始めて運転してみる
29.バスを初めて運転してみる
バスは、51人の乗客と荷物4つを乗せて、フラン町に向かう。
「それにしても、フランとクレメントを日帰りすることができるなんて、
時代は変わったな。」
リリーがそのようなことを言う。
グランツさんが、
「先程事務所に行ったら、お客をマリアンヌさんが断っていましたよ。
もう満員だと言って。
人気がありますね。」
という。
ハコブは、
(たぶんエリスさんも満員と言って断っているんだろうな。)
と思う。
「このバス1台だけでも、輸送量が限られるので、
リリーやグランツさんにも運転を覚えてほしくて、
今朝、お願いをしてみたんだ。」
「俺はやるよー。」
リリーが即答する。
バスは坂道を登り、峠を越える。
今度はクロヒョウは現れなかった。
バスは順調にゴブリンを倒しながら、坂道を下る。
フロントガラスにひびが入ったら、能力で治しながら走る。
バスが、平たんな道になると、不思議とゴブリンの出現率が下がる。
バスはまだ明るい内に、フランに戻ることができた。
いつものカイルも手を上げて、合図をしてくれている。
バスは帰りも4時間を切り、フランの駅馬車乗り場に到着する。
エリスが、事務所から出てきて、切符の回収をする。
エリスさんに荷物票を渡す。
そして、
「明日は運休日ですが、リリーとグランツさんが、
バスの運転を覚えたいと言ってくれて、
練習をしようと思っているんです、と伝える。」
「それは、ありがたいです。最近切符を求める人が多くて、
満員と言って、断っている人もいるんです。」
と言われる。
そうだ、リリー、グランツさん、
明日運転するバスを見せますよ。
ハコブは、転回場に2台のポン〇ョを出す。
「おお!」
「収納ボックスに入っているんですか?凄い。」
グランツからそのようなことを言われる。
この世界、収納ボックスを持っている人がある程度いるそうだが、
大抵は、両手で持つぐらいの荷物しか入れられないらしい。
ハコブは、収納ボックスと言うことで通すことにする。
その後、ハコブはリリーとグランツさんに、
深夜になるまで、転回場をまわることができるようになるまで、ポン〇ョの運転方法を説明し、
試運転に付き合わされた。
ハコブは、宿屋に帰る頃には、裏のドアがロックされていて、
表の入口に回ると、受付で、アンヌさんが迷惑そうな顔で待っていてくれた。




