28. バス運転手募集
28. バス運転手募集
翌日、ハコブは原付で、駅馬車乗り場へ出勤する。
原付をしまうと、能力でエアロ〇ターを出現させる。
すでにリリーとグランツさんは出勤していた。
「おはようございます。」
「おはようございます。」
「おはよう!」
2人が挨拶をする。
その元気のよいリリーの声を聞いて、事務所の建物から、
エリスさんが出てくる。
「おはようございます。今日もよろしくお願いします。」
「大体今日の乗客は何人位ですか?」
「そうですね。すでに49人で、50人は超えそうな状況です。」
リリーとグランツさんの2人は、その回答を聞いて、
早速バスの、補助椅子設置の準備に取り掛かる。
「荷物は無理そうですね。いやギリギリまで詰めないか、
検討してみます。」
20分くらいして、本日の乗車人数は52人との連絡がエリスさんからあった。
色々と検討して、運転席脇のスペースに木箱4つだけなら荷物が置けることが分かった。
早速4つの荷物を運びこんで、エリスさんから荷物票を受け取る。
そして、お客をバスに案内して、出発する。
リリーとグランツさんは荷物の上に座っている。
「これ、景色が良くて特等席だな。」
「前方が見えるのは確かですね。」
バスは町の中を出て、速度を出す。
ハコブは運転席の脇に座っている2人に、
「この馬車じゃないけれど、新型馬車、いやこの乗り物をバスと呼ぼう、
バスの運転をしてみないか?」
と聞いてみる。
「ぜひとも!」
リリーが即答する。
グランツさんも、
「そうですね。安定した結構いい収入を得られそうですから、
私もこの乗り物を動かせる様になったら良いですね。」
と返事をする。
ハコブは、明日の休日にバスの運転方法を教える約束をした。
バスは、坂道を登り始め、所々出てくるゴブリンを、いつもの方法でやっつけていく。
そして、峠の頂上にいたクロヒョウを討伐し、回収する。
何とか、クロヒョウはバスの中に納まった。
その後、峠の坂道を下り、ゴブリンを退治していく。
そして、平たんな道に出て、いくつかの分岐の後、クレメント町に到着する。
町の中は細心の注意を払い、徐行で進み、駅馬車の乗り場に到着した。
今日は、4時間を切り、3時間58分で到着した。
マリアンヌさん、が事務所から出てきて、切符を回収し、
いつもの手続きをする。
4つの荷物はベックさんとボルドンさんが、回収する。
この時、昨日ハコブが渡した台車に荷物を載せ、2人は運んでいった。
ハコブはマリアンヌさんに荷物票を渡して説明していると、
「今日はクロヒョウ、倒したんだな。
良ければ冒険者ギルドで両替しておくよ。」
と戻ってきたベックさんが言う。
マリアンヌさんがうなずいている。
折り返し時間が1時間を切っていたので、
ベックさんに任せることにした。
マリアンヌさんは、手書きで未使用の切符の裏にクロヒョウの預かり票を書き、
渡してくれた。
ハコブはこういう所がマリアンヌさんの気が回るところだと思った。
「あっ、そうだ。これをどうぞ。」
ハコブは能力でコピーした手帳を20冊とボールペン50本を渡す。
そして実際にメモを取るデモンストレーションをした。
「えっ、こんなに白い羊皮紙?」
「まあ、木の皮の様な繊維をドロドロに溶かして、乾かして作った物なんですけれど。」
「そうなんですか。それと、この透明の小さな長い棒、インクをつけなくてもかけるんですね。」
「細い管の中にインクが入っていて、少しづつ出して書く筆記用具なんですけれど、
インクを何回もつけなくていいので、便利だと思います。」
その後、マリアンヌさんに改めて、お礼を言われた。
今日の乗車人数は最終的に51人だった。
あと、荷物も4つ預かった。
「マリアンヌさん、明日は運休日になります。」
「了解。」
リリーとグランツさんは、乗客をバスに案内する。
そして、ハコブは、フラン町に向けて、バスを出発させる。




