25. 増える乗客
25. 増える乗客
「お疲れさまでした。」
クレメント町の駅馬車乗り場にたどり着いたバスをマリアンヌさんは見かけると、
雨の中、バスの方へ走り寄ってきてくれた。
バスの降車扉を開け、乗客がおり始めると、切符の回収を手伝ってくれる。
乗客すべてが下りると、遠くで見ていた、ベックさんとボルドンさんが、
バスの方へ走ってきて、荷下ろしを手伝ってくれる。
「すまんな、今、倉庫の前に、先に到着した荷馬車が停まっていて、
新型馬車をつけることが出来なくて。
代わりに儂たちが運んでいくから。」
重そうな荷物を運んでいく2人を見ると、申し訳なくなった。
「俺たちも手伝う。」
リリーとグランツさんも荷物運びを手伝う。
近くにいたマリアンヌさんに荷物票と、
エリスさんから預かってきた、車内の補助椅子代を渡す。
「わかりました、ありがとうございます。」
ハコブは少し考えていたが、
あるものを能力で出した。
「実は荷物を運ぶ小さな台車を寄贈したいのですが。
今日は雨が降っていて、転回場がぬかるんでいて、
手で運んだ方が早いかもしれませんが。」
取っ手の折りたたみ方や、ブレーキロックのかけ方等、
簡単な操作方法を教える。
「あ、ありがとうございます。」
「ところで、今日の乗客は何人ですか?」
「それが52人なんです。」
「52人!?」
ハコブは、バスの中を確認する。
「補助いす、置けるかな?」
その時、リリーとグランツさんが戻ってきた。
「今日の乗客は52人らしいです。」
マリアンヌさんは、追加の椅子を持ってきてくれる。
ハコブと、リリー、グランツさんの3人で、
バス内の空いている床に、椅子を並べていく。
「何とか52人、乗車することができるが、
今回、荷物を載せるのは、難しいな。
グランツと俺は、ドア近くの床に座る、で良いよ。」
リリーがそう提案をしてくれる。
バスはフラン町への折り返し出発時間の14時になり、
リリーとグランツさんはバスへ乗客を誘導する。
「ハコブさん、これが今回の切符の代金です。」
ハコブは、金貨127枚と銀貨4枚を受け取る。
「ありがとうございます。
では、出発します。」
バスは、フラン町に向けて出発した。




