14.順調に回復するマルクさん達
14.順調に回復するマルクさん達
翌日、ハコブは朝食を済ませると、
治療院に行ってみた。
マルクさんの病室に行くと、マルクさん、クレアさんの他に、
エリスさんも来ていた。
「は、初めまして、というか、助けていただき、ありがとうございます。」
声のした方を見ると、クレアさんがベットの上で、半身を起こして、
こちらに話しかけていた。
「とにかく助かってよかったです。」
「落ち着いて話せるのは、初めてかな、娘と私を助けてくれてありがとう。」
マルクさんも、改めてお礼を述べてくれる。
「妻から話を聞きました。新型の馬車で私たちを助けてくれたどころか、
昨日隣町まで、町長とエリックさんの薬を取りに行ってくれたそうで。」
「エリスさんが道案内してくれたおかげですよ。」
その様な話をしていると、
マルクさんがため息をつく。
「私たちの所有する馬車、馬が逃げてしまって、当分商売できませんね。
この町からクレメント町まで行くには、当面徒歩で行くしかない状態ですし、
多くの物資も運ぶこともできない。」
マルクさんは悩みこんでしまった。
ハコブは、その様子を見て、
「良ければ、私が新型馬車を使って、人と荷物の運搬をしますよ。」
と提案をする。
「他所から来た方に、申し訳ないな。」
「いえ、大丈夫です。距離があるので、そんなに多く、往復できませんが。」
「問題無いよ。妻から話を聞いたが、私の所有する馬車よりも、
2倍以上速いそうじゃないか。」
マルクさんは、先程の表情と打って変わって、うれしそうだった。
「私も怪我が治ったら、お手伝いします。」
話を聞いていた、クレアさんがその様に言う。
「本当に申し訳ない。提案に甘えることにするよ。
荷物の管理と、乗客の接客は妻がする。
ハコブさんは、新型馬車の運転だけをしてもらえばいい。」
話し合いの結果、2日後から、ハコブの路線バスを使って、
フラン町とクレメント町の駅馬車、もとい、バス路線を運行することになった。
ハコブは、3人と話していると、
隣の病室の町長がハコブを呼んでいると、
看護師が伝えに来た。
ハコブは、一旦マルクさんお病室を出て、
町長の病室に入る。
ハコブは、町長と言う役職の人に少し緊張していた。
「ああ、ハコブさんですね、この度はありがとうございます。」
病室に入ってすぐに、目の前のベットに寝ている中年の茶髪の女性にお礼を言われた。
「ハコブと言います。お体は良くなりましたか?」
「まだ痛みが少し残るが、ミハイルが治療してくれたおかげで、良くなっている。」
「お大事にしてください。」
「ああ、ありがとう。ところで、カイルから話は聞いた。
其方の身分は私が保証しよう。後で、町が発行する身分証を宿の方に届けさせる。」
「それはありがとうございます。」
「あと、新型馬車の話も聞いた。
私たちの襲われた馬車を引いて、町まで運んでくれたそうだな。
町から正式に、新型馬車の運行証も発行しよう。
これも、あとで届けさせる。」
「助かります。」
その後、町長の質問にいくつか答え、
病室を後にした。
「ハコブさん。」
病室を出た所で、アンヌさんが声をかけてきてくれた。
「弟さんの病室ですか?」
「そう。これからお見舞いに行くの。一緒に来てくれない?」
ハコブとアンヌは、エリックさんの病室に入っていった。




