9.街道の安全確保
9.街道の安全確保
バスは再出発し、峠の道を登っていく。
途中、この世界に来た?広場の入口を通過し、
進んでいく。
やがて、冒険者の姿が見えなくなた。
「ここからはまだ、冒険者が安全を確認していない地域になる。
気を付けて、進むんだ。」
リリーが運転席左側後ろの席から、話しかけてくる。
「わかった。」
しばらく細い、山道を走っていると、傍の茂みから緑色の小さな人型のモンスターが4体現れる。
「ゴブリンだ。」
「見ていてください。」
ハコブはギアチェンジをして加速し、そのモンスターにバスを次々にぶつける。
小さなモンスターは道横のがけ下に飛ばされるか、
バスに轢かれるかして、4体全て討伐した。
ただ、バスのフロントグラスに、ゴブリンのこん棒があたり、
少しひびが入ってしまった。
「な?なんて討伐の方法なんだ!」
リリーは驚く。
バスを止め、
先程から声を出していない、エリスさんを確認すると、
震えている。
(そういえば昨日の夜、乗り物修理の能力?
って、頭の中に思い浮かんだけれど、
どうすればいいんだ?)
ハコブは小さな声で、
「フロントガラス修理」
と唱えると、ガラスのひびはなくなっていた。
(え?本当?)
また良よく日ひびのあったフロントガラスを見直してみるが、
ひびは消えていた。
(そういうことか。)
なぜか、ハコブは納得していた。
「ちょっとゴブリンを確実に倒せたか、確認してくる。」
と言い、リリーはドアを開ける様、指示をする。
ハコブは後席ドアを開けた。
そしてリリーはバスを降り、轢かれたゴブリンを確認しに行った。
その間、ハコブは自分のステータスを確認した。
(ん、LVが8になっている。自転車召喚?)
ハコブは新たな能力、自転車召喚を得たようだった。
(後で試してみよう。)
璃々は、再びバスに戻って、席に座った。
「大丈夫だ、問題無い。確実にゴブリンを倒せている。」
「じゃあ、行きましょう。」
ハコブは再びバスを走らせた。
バスは1時間ほど走り、ところどころ、ゴブリンが現れたが、
その都度、バスで体当たりし、倒していった。
リリー曰く、
「早く街道の討伐ができて、この馬車は化け物だな。」
と言われる。
バスは、やがて、岩場の木がほとんど生えていない峠に到達した。
「あっ、あそこにいるのは。」
リリーが指さす先には、街道の真ん中に、
黒い大きなヒョウが座っていた。