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依頼File:0 始まりの日常

 神と人間、魔物が共存する世界、ミトロジア。神は人間たちを統べ、魔物は神に反発するため、手の届く人間を攻撃する。そして、人間は魔力を授かって生まれ、魔物たちの襲撃に耐え、それぞれの場所で都市を作り、文明を発展させてきた。

 そんなミトロジアの主要都市「マジカ・プロスペリタ」。この世界の重要機関、魔法省の本部や名門魔法学校、魔物を討伐したり、その補佐をする冒険者が集うギルド本部等、多くの建物が立ち並び、多くの魔法使いが街を行き交う。

 そんなマジカ・プロスペリタのはずれに、小さな二階建ての家が立っていた。その家には看板がついていた。「ベーカリー “スイート”」と書かれた小さな看板。そう、ここは知る人ぞ知るパン屋として有名な店。その店に入っていく人がいた。



店員「いらっしゃいませー。あ、いつもありがとうございます」

客A「いえ、こんな時間にいつもすみません。いつものやつ、ありますか?」

店員「すみません、シエンツァが昨日から徹夜で研究してて、そのパン作れなかったんですよ」

客A「えー、残念。んーと、じゃあこっちを貰おうかしら」

店員「ありがとうございます」


 会計が終わると客は店員にひと声かけて帰っていった。


客A「今日もありがとうございました、エスプルスィオーネさん。明日も楽しみにしてますね」

エス「すみません、明日と明後日は休業にしようと思ってまして・・・。おそらく次の開店日は明々後日になるかと・・・」

客A「なるほど、了解しました。ゆっくり休んでくださいね」

エス「ありがとうございます」



 エスプルスィオーネが客を見送ると、後ろから1人の男が声をかける。



??「エスプルスィオーネ、お疲れ様」

エス「あ、ミエティトーレさん、死神世界のお忍び視察は楽しかったですか?」

ミエ「まあまあだったな・・・(やはり新死神世界にはもう少し規律が必要か・・・)あ、あとやっぱり明日と明後日はパン屋は開店できないな」

エス「しょうがないですよ、『美術館の展示を盗む』という怪盗の逮捕協力ですから。」

エスプルスィオーネの話にミエティトーレが思案するような顔を見せる。

ミエ「ただ、やっぱり不定期開店のようになっているのは良くないと思うから・・・。どうするべきかきちんと考えないとな」

エス「そういえば、シエンツァさんとイルジオーネさんはどうしてるんですか?」

ミエ「シエンツァはさっき研究が終わったって言って自室に戻ったよ。イルジオーネは・・・朝からずっと外に出てたはずだ」

エス「え、まさかずっとマジックショーですか?」

ミエ「そうらしいな、全く明日は忙しいというのに・・・まあ、まずは家にいる三人で夕食を食べてしまおうか」

エス「では、私はシエンツァさんを呼んできますね」

ミエ「ああ、よろしく頼む」


 今度はミエティトーレがエスプルスィオーネを見送って店の奥へ入り、パンを作る工房を通り抜けると、そこには大きなリビングルームが広がっていた。彼が夕食の最終準備をしようと思い、キッチンに入ろうとすると誰かが帰ってきた。


??「ただいま〜」

ミエ「イルジオーネ、随分と帰りが遅かったじゃないか。今日、依頼を受けたから明日、9時頃に美術館の方へ出発するんだぞ」

イル「まま、そんな怒るなってミエティトーレ。明日9時にここ出発ね、了解了解」

ミエ「は〜、一旦夕食を食べるから着替えてこい」

イル「はいはい」



そう言ってイルジオーネは自室の方に戻っていった。

明日の何でも屋としての依頼はどうにかなるだろうか・・・

そんなことを思いながらミエティトーレはキッチンに向かった。

お読みいただきありがとうございます。作者の藍月夜あいづきよです。拙い文章ですが、今後も頑張って続けていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

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