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60.マユの下宿屋

 

 森の定食屋を出た僕たち。その後は、マユにこの町を案内することに。

 なぜならば、マユもあまり、高校と下宿のアパート以外は行き来していないのだと。

 彼女も、安久尾建設に犠牲になった一人。

 話をしていると、案の定、最初はとても落ち込み、部活の時以外は必要最低限の外出しかやっていなかったという。

 いつしか、それが慣れて行き、現在では、自主練で、たまに周辺を走ることはあっても、この町のことは何も知らないのだという。


 というわけなので、この町のことよく知る、葉月たちにお願いして、出かけるのだった。


 まずは、とりあえず、僕の家に。

 おそらく、マユも拠点となる場所になるだろう。幼馴染の親戚の家ならなおさらだ。


「僕は、ここに伯父さんたちと住んでいるんだ。」

 そう解説しながら、僕は伯父の家を案内する。


「すごい良い所ね。畑がきれい。」

 マユはそう言って、ドキドキさせる。

 伯父の家の広大な畑に、マユは目の色を輝かせる。夏真っ盛りのこの時期、色とりどりの緑黄色野菜はマユの目にとても綺麗に移っているのだった。


 伯父伯母にも、新しくマユを紹介し、僕たちは川を渡り、雲雀川市の中心部へ。

 そして、来たのは、やっぱり百貨店だった。

 ゲームセンターで遊び、一緒にカラオケを歌い、気付けば夕方を迎え、それぞれ、帰路に就いたのだが。


「今日はありがとう。後でお礼させて。」

 マユは皆に何度もお礼を言ってきた。


「ううん。これからよろしく、お礼はいらないよ~。」

 葉月がそういう。


「あらあら、ご丁寧にありがとう。でも気持ちだけね。」

 史奈もそういって、マユにウィンクする。

 それは、結花、加奈子も一緒だった。

 早織は、途中まで居たが、お店の、再び夕方の繁忙期があるということで、先に抜けている。

 だが、早織も気持ちは一緒のようで。マユにこれからよろしく、といって、別れて行った。


 そうして、僕たちは帰路に就く。

 帰る方向は、加奈子と、僕、そして、マユが一緒だったため、三人で一緒に帰ることになる。


「よかった。ひかるんがいい子たちと一緒で、安心した。」

「ははは。それは。良かったよ。」


 そんな会話をしながら。南大橋の交差点に差し掛かる。

 普通であれば、ここで、加奈子と別れるのだが・・・・・。


「そうだ、加奈子ちゃん。この後、時間ある?」

 マユは加奈子にそう聞いてくる。


「えっ、時間。あるけど・・・。」

 加奈子は少し戸惑うが。


「よかった。そしたら、私の下宿も案内するけど、よかったら、ひかるんも、加奈子ちゃんも一緒に来ない?」

 マユからの突然の誘い。


「えっ。」

 加奈子は驚いている。一番、驚いているのは、加奈子自身かもしれない。


「いいの?ま、真由子。」

 加奈子はそう言ったが。


「うん。勿論。」

「うん。そしたら、行く。」

 加奈子は、顔を赤くして応える。


「ひかるんは、勿論、来るよね?私の下宿。」

 僕は頷く。


 三人で川を渡り、マユの下宿家にたどり着く。

 そこは、小さなアパートだった。


 僕と、加奈子はマユの案内のもと、部屋に案内される。

 女の子の部屋なのだろうか、綺麗に片付いている。


 そして、さすがは陸上女子、いろいろと、体力を鍛えるための道具が、置かれている。


「どうかな?」

 マユは訪ねてくるので。

「うん。思ったよりも広い。」

「そうだね。ここは、東京からも離れているし、東京と同じ家賃でもこれだけ広い部屋が借りられてビックリ。」

 マユは笑っている。


「結構綺麗。いいなあ。私も、部屋片づけないとかな・・・。」

 加奈子はそう言って、笑っている。

 その言葉のニュアンスだと感じだと、加奈子は朝と、片づけが苦手そうだ。


 マユはペットボトルからお茶を入れてくれ、僕たちに差し出す。

「「あ、ありがとう。」」

 僕と加奈子はそう言いながら、マユにお礼を言った。


 しばらくの間、陸上部の話、マユの高校の話で少し盛り上がる。


 そして・・・・・。

「ひかるん。こっちこっち。」

 マユは僕をベッドに座らせるように促す。

 僕は頷いて、ベッドに座る。隣にマユが座る。


「加奈子ちゃんも。ひかるんの隣に座って。」

 マユは加奈子にウィンクして促し、僕のもう片方の隣に加奈子が座った。


「いろいろ、あるけど、私、ひかるんとまた、再会できてうれしいな。これからよろしく。」

 マユはそう言って、僕の手を持つ。


「ああ。うん。よろしく、マユ。」

 僕はそう言いながら、笑う。


「あの・・・。良いんだよね。」

 マユは僕の顔を見る。

 そして、加奈子の眼を見る。まるで、加奈子に許しを請うように。加奈子はうん、うん、と頷く。


 マユの唇が、僕の唇の上に来る。

 そして、マユが僕の身体をいろいろと、触り始める。


「どう?私とは。」

 マユが聞いてくる。

 頷くことしかできない僕。


「その表情は、良いんだね。良かったぁ。そしたら・・・・。」

 マユは加奈子の方を見る。

 ドキドキしながら、少し顔が赤い加奈子。その瞳は少し羨ましそうにこちらを見ている。


「ドキドキしている加奈子ちゃん、先に、どうぞ。」

「えっ。」

 そのやり取りを見て、顔を赤くなっている加奈子はさらに顔を赤くする。


 マユの身体が、僕から離れる。

 加奈子と目が合う、僕。


「い、いいの?」

 加奈子は僕を見る。僕は頷く。

 そして、マユを見る。まるで先ほどマユが加奈子にしていた瞳の色で、加奈子はマユに許しを請う感じで。


 マユはニコニコ笑って頷く。

「勿論。さあ。」

 マユに促される加奈子。


 次の瞬間。

「輝・・・・・。ごめん・・・・・。私もう・・・・・。」

 加奈子は思いっきり抱き付き、ものすごい勢いで、唇を重ねる。


「輝・・・・。体が・・・・。熱い・・・。」

 加奈子の言葉。そうして、加奈子が僕の着ている服に手をかける。

 僕も加奈子の着ている服に手をかけ、上半身部分の服を脱がす。


 そして、次の瞬間。

 なんと、マユが、加奈子の下半身部分の服に手をかける。


 そして。

「へぇ~。加奈子ちゃん、超セクシー。」

 マユの言葉にさらに、加奈子の身体が熱くなる。


「あ、あの、バレエやってる関係で、こういう下着よく、身に着ける。衣装とかと被らないように。」

 加奈子は恥ずかしそうな顔をする。

 バレエの衣装を着る関係からか、加奈子の下着は、面積の小さいものが多い。


 加奈子のその言葉と一連の動作に深く頷くマユ。


「へえ。やっぱりね。結構、スタイル、綺麗だもん。加奈子ちゃん。」

 マユはニコニコ笑う。


「そしたら、ひかるん。加奈子ちゃんをくるっと回すように促してみよっか。」

 マユの指示で、僕は加奈子の身体を回転させる、加奈子もそれに応じる。


「ふふふ。ひかるん、加奈子ちゃんの背中、特に、お尻、見てあげて。」

 加奈子の面積の小さな下着とお尻を見る。じっと見るのは流石にあれなので、何度か回転させて、一瞬の時間で。

 といっても、回転はとてもゆっくりなのだが。


 何だろうか、ドキドキする音が聞こえてくる。


「ふふふ。ひかるん、すごくドキドキしてる。すっごくセクシーだよね。加奈子ちゃん。」

 マユはそう言いながら、笑っている。

 僕は頷く。


 マユは笑いながら、加奈子の眼を見る。


「加奈子ちゃん、ひかるん、すごくドキドキしてるよ~。もっともっと、かわいいお尻、ひかるんに、見せちゃおう!!」

「えっ。」

 マユの言葉に、加奈子の顔はすごく赤くなる。


 だが、加奈子は、お尻を動かす。

「輝、どうかな?」

 ドキドキする僕、頷くしかできなかった。


「ひかるん。なんか言ってあげようよ。」

「えっ、えっと、すごく、き、綺麗で、かわいい。」

 マユの言葉に反応する。


「あ、ありがとう。」

 加奈子は照れてはいたが、だんだんと、動きが速くなる。


「ふふふ。ひかるん、触ってあげて。バレリーナさんの身体、すごく、セクシーだよね。」

 マユに言われる僕。言われるがままに、加奈子の体のラインを撫でる。


 やっぱり、スタイルが、本当に良い。

 細身の加奈子の身体は少しドキドキする。


「二人とも、良い感じ。そのまま続けようか。」

 マユにそう言われて、少し僕と加奈子はお互いに体を預ける時間となる。


 そして、からだが少し離れ、お互いに、動きを止め、落ち着いたところで。


「どう?加奈子ちゃん。少しは自信がついた?」

 マユはそう言いながら、加奈子に問いかける。


「えっ?」

 マユの問いかけに、加奈子は顔が赤くなりながらキョトンとする。


「だって、自信なさそうだったんだもん。それもそうだよね。私だって一緒だから。あのメンバーと一緒にいると特に。だから加奈子ちゃんを誘ったの。ここに。」

 マユは自分の胸を触る。マユの胸もスポーツをやっているからか、加奈子と同じ、小さめの膨らみだ。


「あっ。」

 加奈子はハッとする。


「どう?ひかるん。加奈子ちゃんの魅力。気付いた?すっごく細身で、セクシーだよね。」

 マユの言葉に僕は頷く。


「ありがとう!!輝。」

 加奈子は思うがままに、唇を僕の唇に重ねた。

 そのまま、時間が経過していた。


「それじゃ、加奈子ちゃん、ここからは、私もこの勝負に加わるよ。私だって負けないもん!!本気で勝負しましょ。」

 マユはそう言って、僕の隣に行く。


「私だって、ドキドキしているんだから。」

 マユはそう言って、服を脱がせるように僕を誘う。


 そして・・・・・。

「えっ。」

 その姿に加奈子も驚く。

 僕も言葉にならなかった。


 陸上の日焼けした素肌が現れた。

 しかも、ユニフォームの日焼け跡がすごくよくわかる。


「私も、お尻で勝負しよ!!」

「まって、まって、私も負けないんだから。」


 マユと加奈子はそう言って、僕に何かを誘うように促して来る。

 それに緊張しながらも応える僕。


 ただただ、二人の言葉に頷くことしかできなかった。

 当然、この後、何が起きたか、言うまでもなかった。


 夏真っ盛りのマユの下宿の夜だった。









今回もご覧いただきありがとうございました。

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