148.スイートルームの夜、史奈編
お待ちかね、第六章、番外編です。
ホテルニューISOBEの四日間の滞在期間中、誰がじゃんけん大会を制して、輝君は一体誰と過ごしたのでしょうか。
ここでは、ヒロインたち全員分描くようにしますが、誰と過ごしたか。こればかりは、皆様のご想像にお任せします。
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「「「最初はグー、ジャンケンポン!!」」」
「ふふふっ。やったわ。」
史奈がニコニコと笑う。今日のじゃんけん大会の勝者は史奈だった。
「あ~あ。流石会長。」
葉月のため息が漏れる。他のメンバーも流石は会長というような声が飛び交い、そんな表情をしていた。
「それじゃあ、皆、お休み~。」
史奈はそう言って、部屋を出て行く、他のメンバーを見送る。
そして。史奈は、スイートルームの扉を閉めるのだった。
それを部屋の奥から見届ける僕。
「ふうっ。」
という史奈のため息。そして。
史奈は僕の方を見て。ニコニコ笑う。
「さあ。輝君。思いっきり私と新婚旅行しましょう。」
史奈は、そう言って、僕の背中に両手を回す。
それに応えるかのように、僕は史奈の背中に両手を回す。
お互い、抱きしめて、キスを交わす。
「ふふふっ。ありがとう。」
史奈はニコニコ笑っていた。
そんな時間が過ぎていると。少し静けさを覚える。
「なんか静かだね。」
「そうね。」
僕の言葉に史奈がうんうんと頷いて、答える。
「テレビつけてみましょうか。年末特番で色々やっているかもよ。」
史奈が僕にそう提案してくる。
「そうだね。」
僕はそうして、テレビのリモコンを持ち、テレビをつける。
テレビにはいろいろな音が流れ込んできて、少し静かすぎる雰囲気が和らいだようだ。
「ふうっ、少し落ち着いてゆっくりしましょう。輝君は見たい番組とかある?そして、普段はどんな番組を見る?」
史奈がそう聞いてくる。
史奈の言葉に僕は少し考える。
「最近はあんまり見ないですね。YouTubeでしょうか。テレビというより。いろいろ音楽聞くのが好きです。」
「そうよね。私も、そんな感じかな。」
史奈はうんうんと、頷く。
少し史奈は考える。すると。
「ちょっと、待って。」
史奈はテレビの傍にある棚から、テレビのガイドブックだろうか。それを取りだし、覗き込む。
「ふむふむ・・・。」
そして、史奈は再び僕の元へと来て、リモコンを取り出し、画面を切り替える。
「やっぱりね。」
史奈はニコニコ笑った。
そうして、僕を手招きして。
「映画とかドラマが見られるみたいよ。ほら。」
史奈はニコニコ笑う。そうして、映画やドラマの一覧を画面に表示する。
「すごい。どこで見つけたの?」
僕は史奈に聞く。
「まあ、スイートルームだし、何か、プライムビデオとかそういうサイトの会員にサービスになってるはずだから。」
史奈がうんうんと笑う。
確かに、高級ホテルのスイートルームならあり得る話だ。
「さてと、何見ようかしら。」
史奈が色々と画面を操作する。
「輝君は、好きなのある?」
「どうかな?わからない。」
史奈の質問に僕は答える。
「そしたら私の好きなの見ちゃおうかな。」
ということなので、史奈がチョイスした、ファンタジー系の映画を見ることに。
かなり有名な魔法のシリーズで、戦闘アクションは勿論のこと、恋愛のシーンもある。
恋愛のシーンに突入すると、ドキドキしてしまう、僕と史奈。
そのまま、映画の俳優と一緒に唇を重ねる。
そんなことを繰り返しているうちに、映画を見終わる僕と史奈。
キスシーンで熱くなったのか、戦闘シーンでは終始、手を繋いで映画を見ていた。
「ふふふっ。ドキドキしちゃったね。やっぱり、冒険ファンタジー映画はハラハラドキドキするわね。」
史奈がニコニコ笑う。
そうして、僕たちは立ち上がり、次に移動したのはベッドが置かれている寝室へ。
このまま・・・。と思ったが。
「輝君と青春、してみたかったのよね。」
史奈がベッドに置かれた枕を持ち出す。
「うちの学校は修学旅行というイベントが無いし、そもそも、輝君とは学年が違うから・・・・。」
そうして、枕をポンと投げて、僕にパスする。
史奈の言葉を理解した僕。
「うん、もちろんだよ。楽しもう!!」
そうして、枕を思い切り、史奈に投げる。
「ふふふっ、良いわね。でも、この枕、少し軽いわね・・・・。」
史奈がうんうんと、頷き、少し考える。
そして・・・・。
「これはどう?」
史奈は、枕をポーンと手で打って僕の元へ飛ばした。
「ああっ。」
僕は頷き、僕の元へと飛んできた枕を腕で打ち返す。
「ナイスレシーブ。」
史奈はさらに打ち返す。
そうして、枕投げ、ではなく、枕バレーを楽しんだ後、少し汗だくになって来た。
「ふふふっ、少し汗出て来て、熱くなってきちゃったわね。」
史奈の言葉に僕は頷く。
「うん。そうだね・・・・。」
僕は頷く。
「ねえ。輝君。一緒に、ねっ。」
史奈は部屋の窓を指さす。
史奈の指さした方向。そこには、部屋に備え付けられている。露天風呂がある。
一気に顔を赤くする僕。
「露天風呂・・・・。外なんじゃ。」
僕は史奈の方を見て言うが。
「いいのよ。一緒に入って。そして、その後、外で。ねっ。誰かに、悟られたなら、見せちゃいましょ。」
史奈の言葉に、ドキドキと胸の鼓動が速くなる。
僕は備え付けの露天風呂を見る。
確かに、露天風呂ということで、外にある。スイートルームのバルコニー部分にそれがある。
露天風呂ということもあって、プライバシーの観点からは、隣の部屋とはきちんと遮られている。
ベランダの柵は少し低いが、眺望を優先するための措置。少し気になるが。ここは、最上階の一つ下の階で、さらに丘の上にある。他の旅行客が、上を見ない限りは、大丈夫だろう。
ということは、合法的に、外で、例のアレが出来る、県内でも、いや、全国でも全世界でも数少ない場所。
「ふふふっ。大丈夫よ。ここは私たちが泊まっている部屋で、備え付きの露天風呂なのだから。」
史奈の言葉に僕は頷く。
さらに、身体に熱が走る。ドキドキと胸の鼓動を押さえながら、部屋の露天風呂にお湯をためていく。
「寒いかもよ、冬だから・・・。」
僕は史奈に、念を押す。
「いいのよ。輝君と入れば、温かいから。」
史奈はこくりと頷いた。
そうして、あっという間に、露天風呂に、半分ほどお湯がたまり、満杯になるまで、数分という所まで、来てしまう。
「さあ。輝君、お願いね。」
史奈が手招きをして、来ている浴衣の袖をの片方を差し出し、もう片方の袖を胸の前に持ってきて、袖から出ている、彼女の手で、来ている浴衣の胸元を掴み、さらには帯を少し緩める。
彼女の着ている浴衣に手をかける僕。帯を解き、浴衣を脱がすと、大人びたデザインの肌着が目に入る。
「輝君と二人きりだもの、少し張り切って、着てきちゃった。」
史奈が色気たっぷりに言う。
「ありがとう。史奈。」
「こちらこそよ。輝君。」
僕と史奈は唇を重ね、お互い、生まれたままの姿で、部屋の窓を開け、備え付けの客室用の露天風呂があるバルコニーへと出たのだった。




