第29話 政策
八坂翔平の居城、那古野城では
爺やは「殿―‼」と叫びながら八坂翔平を探し回っている。
目隠ししながら竹刀を持って禿げ太郎が座っている方向に歩き出している八坂翔平を爺やは見つけて
「殿、何をやっておられるのですか?」
「人間スイカ割り」
「人間スイカ割り?」
「俺が目隠しをして禿げ太郎の頭を叩いて禿げ頭はどれくらいいい音なるかを試してるんだよ」
爺やは強い口調で
「そんなことやってる場合じゃないですよ、川中島で金崎軍と松本軍が激突したんですよ」
八坂翔平は目隠しを外して興奮気味に
「おー、どっちが勝った⁉」
爺やの横にいる川中島の戦いを見て来た鉄平が
「両者引き分けに終わりました」
八坂翔平は
「決着つかず、兵力だけ疲弊したとは両軍にとって大きな痛手を負っただけの戦になったな」
そう感想を言い残しその場を去った。
八坂翔平は天子の膝の上に頭を置きながら甘える声で
「あーあ暇だなぁ、天子イチャイチャしようよ」
「殿、暇だからイチャイチャするのですか?」
天子の冷たい目線に八坂翔平は震えながら
「いやぁ、そういう事じゃ」
天子の恐い表情に八坂翔平は
(ヤバい余計な事を言ってしまった)
子犬のように縮こまっている八坂翔平を助けるかのように戸が開き
「殿、失礼します」
爺やの登場で八坂翔平は誤魔化すかのようにすぐさま跳ね起き爺やの元に行き
「おー爺や、よー来た、よー来た偉い」
爺やは困った表情で
「殿、近いです」
「近くない、大丈夫、大丈夫」
「まぁ、そんなことよりこたびの川中島の戦いを見た鉄平が両軍の圧倒的な強さに驚いたそうです」
八坂翔平は真顔で
「そりゃ、日ノ本一の騎馬隊と日ノ本一の軍神なんだから強いに決まってるだろ何を今さら」
「だから、我らは彼らに対する対策をすべきかと」
「仕方ない、今からちょっと出かけてくる天子」
「殿、お気を付けて」
天子はふてくされた感じで言った。
八坂翔平は天子の元に行き
「ごめんよ、天子」
「殿、触らないでください」
「許してくれるまでくすぐる」
八坂翔平は天子の脇などをくすぐり始めた。
天子は笑いながら仕方ないと思い
「わかりました殿、許します」
八坂翔平は満面の笑みを浮かべながら
「そうか、許してくれるか」
天子は八坂翔平の笑顔を見ながら
(全く殿は憎めないんだから)
八坂翔平は軽く天子の頬にキスをして部屋を出た。
「爺や、村人を集めろー」
「はい」
爺やは村人を集めに行った。
しばらくして
「殿、村人を全員集めました」
「おー、そうか。今行く」
八坂翔平は集められた住民の前に立って
「皆の者、今日は話がある」
八坂翔平は真剣な表情で村人達に向かって
「今日から武士と農民を分けようと思う」
禿げ太郎が
「殿、そんなことしたら戦の時に人が足りなくなります」
「あほか、禿げ太郎よく考えよ、今まで畑仕事もしながら戦になると戦に出なければならなかった。そのため収穫の時になど戦ができなかった。しかし戦をする人が畑仕事をし無くなれば一年中戦に専念できるまた畑仕事だけに専念する人がいれば飢餓になりにくくなる」
禿げ太郎は八坂翔平に忠告するように
「しかしそれでは人が」
「だったら人は増やせばいいだろ」
「どうやってですか?」
「他の国より住みたいと思う国にするだけでよいではないか」
「それはどうやってですか?」
「ここでの商売する場所代と関税を取らないようにするそうすれば誰もが自由に商売をすることができる」
爺やは八坂翔平の言葉を聞いてムッムッと思い
「殿、その考えは素晴らしいですね」
「おっ、爺や珍しく反対しないな」
「爺やはもう殿を信頼してますから」
八坂翔平は笑顔で
「信頼するのがおせぇよバカ」
と言って爺やの背中を叩き叩かれた爺やはむせた。
「場所代と関税を取らなきゃ商売やりたさに人が押し寄せるから人が足りなくなることはなくなり一年中訓練をできるから我が軍隊は最強になるぞ」
村人の中で一番歳のいっている男が
「八坂様、その政策賛成です」
「我も」
「我も」
村人は次々と賛成した。
八坂翔平は新たな政策を作り出した。この政策が兵農分離、楽市楽座と言われるようになるのであった。
この政策が八坂家を大きく発展させることになる。




