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第25話  大国

 霧が晴れた。


 不動軍本陣で大群が向かって来るのが薄っすらと見えた不動武虎は


「何か?こちらに向かって来るのは味方か、もう金崎軍をやっつけたのか?」


 虎次郎は顔を真っ青にして震える声で


「違いぅ!あっ、あっ、あれは金崎軍です!!」


 不動武虎は驚きながらも周りに動揺をさせないように一呼吸置いてから冷静な口調で


「金崎軍もう来たようだな」


 虎太郎は慌てながら


「これは策がばれたとしか考えられないです!!」


 不動武虎は大きく深呼吸してから慌てる虎次郎の肩をポンと優しく叩いて


「大丈夫だ、落ち着け」


 不動武虎は虎太郎に


「相手は強いが俺達は日の本一最強の軍団だ!」


「王者の戦いをあいつらに見せつけるぞ!!」


「おう!!」


「ただちに迎え撃つ準備を!」


「はい!!」


 金崎は不動軍の兵の数を見て


 やはり予想どおりだった。


 金崎は自分の予想が当たった事で意気揚々と


「皆さん、不動軍本陣が見えてきました!!一気に攻め込みますよー‼」


「おーおー‼」


「経丸さん、しっかりついて来て下さいよ」


「はい‼」


 (いよいよだ!!)


 経丸は気持ちの高ぶりを利用し自分を奮い立たせるために馬上から歌を呟きながら突き進む


 金崎を先頭に金崎軍は不動軍本陣の中心に突っ込んでいく。


 金崎軍は大将の金崎が真っ先に突っ込んでいく。


 普通、戦は大将が死んだら終わりなのだから大将は一番後ろの一番守られているところにいるものである。


 しかし金崎は士気を上げるために真っ先に敵陣に斬りこんで行くのである。 


 金崎軍は雪崩のように不動軍に襲い掛かる。


 虎太郎は慌てて


「まずいこのままじゃ、お屋形様お逃げください‼」


 覚悟を決めた不動は先ほどまでの怯えた様子とは打って変わって


「慌てるな虎太郎、窮地の時でも動じてはいけない!俺がここで逃げれば士気が落ちる。ここは我慢だ‼」


 虎太郎は咄嗟に強い口調で


「逃げなきゃお屋形様!下手したら死にますよ!!」


 武虎は冷静な口調で


「俺のために戦っている兵をおいて俺だけ逃げることはできぬ、それをするぐらいなら死んだ方がましじゃ」


 不動武虎はこのように家臣や村人を大切にする大名だった。だから人望があり、そのため不動軍は結束力がある。窮地に追い込まれてからの不動軍の粘りは凄まじかった。


 虎太郎は不動武虎の言葉に泣きそうになった。そして覚悟を決めた。


「わかった兄貴、安心してていいよ。どんなことがあっても俺が必ず守るから」


 不動武虎は虎太郎の目を真剣な表情で見て


「絶対に俺を置いて死ぬことだけは許さないからな」


 虎太郎は笑顔で


「当り前だろ死ぬわけねぇじゃん!金崎軍などたいした敵ではないわ!!」


 虎太郎は大声で


「皆!!お屋形様を殺すわけにはいかない、共に奮闘するぞ!!」


「はっ!!」


「行くぞ!!オラー!!」


 と自ら敵に斬りこみに行く虎太郎の姿を見て兵達は奮い立つ!!


 不動軍は士気が上がり粘り強く戦っている。


 しかし、金崎国子は次々と不動軍の兵を倒して遂に不動武虎の姿を捉えた。


「経丸さん、行きますよ」


「はい」


「我こそは金崎国子、不動武虎覚悟しろー‼」


 突撃してくる金崎の姿を見て勇は驚きながら


「お屋形様、あれは金崎本人です」


 不動武虎は驚きながらも


「大将の癖にここまで来るとは大したもんだ」


 不動武虎はさすがは大国の大大名。窮地でも動じずドーンと構えている。


 次々と不動軍の兵は金崎に突っ込んでいくが金崎はいとも簡単に蹴散らしていく。


 金崎を見て経丸は


 (金崎様はやはりすごい、私も頑張らなくっちゃ)


 次々とくる不動軍の兵を経丸も蹴散らして生き残るは不動武虎と虎太郎のみになった。


 金崎は低い声で


「覚悟しろ、不動武虎」


 金崎と経丸はどんどん不動武虎と虎太郎に近づいて行く。


 今から三時間前、金崎、天羽連合軍にバレぬように音を立てないようにして妻女山に向かって別働隊を率いている不動軍最強の武将と日ノ本中に名を轟かせている武将、武士疾風は前方にある妻女山から轟く武将達の声を聞いて驚きながら


「なぜだ!妻女山の方でもう戦が始まってるのか!!」


 武士疾風は兵達に向かって大声で


「皆の者、音など気にせず急ぎ妻女山に向かうぞ!!」


「はっ!!」


 別働隊は先ほどまでの進軍スピードとは打って変わって全速力で妻女山に向かった。




 その少し前の時間の妻女山では


 妻女山にいる片倉さん達はチビルが片倉さんに


「片倉さん、足音が聞こえて来てきました」


 片倉さんは冷静に


「皆、迎え撃つ準備だ」


「はい‼」


 皆は準備を終えて不安な面持ちで戦闘まで流れていく時間を耐えている片倉さんはそれを見て、皆の不安を取り除こうと


「皆、声を出そう。そうすれば少しでも不安は取れるさ」


 片倉さんは大声で


「せぇーの!」


「気持ちー‼気持ちー‼」


 天羽軍の言葉を聞いた金崎軍の遼太が


「U-太、俺らも声を出して士気を高めるか」


「そうだな」


 金崎軍も「気持ちー‼気持ちー‼」と大声を出したのであった。


 皆は一斉に声を出して心を一つにした。


 それぞれが各地で決定的な戦へと発展していきそうな雰囲気を出していくのであった。



















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