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スイソーガク  作者: ぷるんぷりん
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吹奏楽のツキ

「続いては、剣道部の紹介です。」

入学式から一週間たち、火野高校では、新入生歓迎会を行っていた。目を輝かせながら部活紹介を聞いてる人もいれば、ちらほらうたた寝をしている人もいる。それは、文月志気も例外ではなかった。文月は入部しようと思っている部活はもう決まっているので、他の部活には興味がなかった。

「次は吹奏楽部の紹介です。」

文月は顔を上げる。文月が入ろうとしている部活。それは吹奏楽部だった。

「みなさん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!こんにちはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」

マイクを通さず、大声でのあいさつ。今まで紹介された運動部より運動部らしさが出ている。ただ、吹奏楽部は普段の肺活量や技術諸々は置いておいて、文化部なのだ。うたた寝しそうになっていた他の人も一気に目が覚める。

「えっとー。吹奏楽部です。さっきの挨拶は、副部長の稲垣にやれと言われたのでやりました。部長の坂田です。」

体格のいい青年が名乗る。

「やっぱどしょっぱつに笑いとるのは大事だって坂田ぁ。」

坂田の後ろからひょっこり出てきたのは小柄な青年だったが、さすが吹奏楽部というべきか、芯がある。

「お前の提案のせいで笑いは笑いでも、乾いた苦笑いしか取れてないな。後で俺のところ来い。」

「うぉ。こっわ。」

「コイツは置いておいて、本題に入ろう。今から吹奏楽部に入ろうとしている人や、気になってる人。中学の時やってた人なら知ってる人も多いと思うが、今年は『吹奏楽のツキ』と呼ばれた12人が高1になる。」

吹奏楽のツキ。それは3年前、月宮北中学新入部員として、吹奏楽部に入った12人の総称だ。この12人の力で地区大会敗退だった無名中学を全国大会金賞までもっていったと言っても過言ではない。3年連続無名校を全国大会へ出場させ、初めの2年は金賞も獲得した。その12人が今年高1になるのだ。12人がどこの学校に行ったのかはまだわかっていない。だからこそ、どの学校の吹奏楽部もソワソワしているのだ。

「まぁ、でもその12人がこの学校に来てるわけないけどね。」

「稲垣の言う通り、俺たちはこの学校に来ている可能性は極めて低い。だからこそ、戦ってみないか?吹奏楽のツキ。奇跡の存在と。スポーツと違って目に見える点数にはならない音という概念で。一緒に戦ってみないか?この学校は昔一度だけ全国大会出場をした。結果は銅賞だったが。全国という舞台に立てた。もう一度。この学校を全国までもっていこうじゃないか!吹奏楽部、ぜひ入ってみてください!」

文月は吹奏楽のツキよりも上の演奏をすべく吹奏楽部に入ろうとしている。もちろん元々音楽が好きだということもあるが。先程の言葉。少し訂正してもいいかな。吹奏楽のツキよりも上の演奏と言ったけれど。正しくは、“他の”吹奏楽のツキよりも上の演奏だ。僕は元・月宮北中学吹奏楽部トランペットパートの文月志気。吹奏楽のツキのうちの一人だ。さっきの部活紹介で、吹奏楽のツキがこの学校に来てるわけないと言っていたが、実際のところはこの学校に12人中2人来ている。僕と早宮葉月だ。早宮君はホルンを吹いている。他の吹奏楽のツキの人がどこの学校に行ってるのかは正確には分からない。早宮君に聞いたらわかるかもしれないが、早宮君とはこの学校に入ってから一度も見かけていないので聞けない。今日から2週間仮入部期間が始まる。元々吹部一択だから入部届を早く出そうと思う。部活に行ったら早宮君とも会えるかもしれない。


✯吹奏楽部ファイル✯

名前:文月ふみづき 志気しき

学年:高1

身長:173㎝

楽器:トランペット

所属学校;元・月宮北中学校 現・県立火野高等学校

好きな食べ物:ピーマンの肉詰め

頭脳:2

音感:3

音質:3

パワー:4

肺活量:4

最近の悩み:自分って影薄いのかな…?


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