表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霊聴探偵一ノ瀬さんの怪傑推理綺譚(かいけつすいりきたん)  作者: 小花衣いろは
Episode7  Matchmaking party(合コン)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/74

08



 ――何だったんだろう、今の人。何だかすごく……不思議な人だったなぁ。


 普段の千晴なら、自ら関わろうとすることのない人種だろう。

 けれどあの人は、一緒に居て、話していて、何だかほっと肩の力を抜けるような――自然と空気が心地良いものに変わっていくような。明確に言語化することは難しいが、そんな、不思議な魅力を持った人だった。


 玲衣夜の去っていった方を見つめたまま暫く座りこんでいた千晴だったが、ポケットに入れていたスマホが着信を知らせたことでハッと意識を浮上させた。相手は川上くんからで、いつまでたっても戻ってこない千晴を心配しているようだ。


「――うん、ごめんね。直ぐ戻るよ」


 通話を切って重たい腰を上げる。川上くんが言うにはこのまま居酒屋を出て、これから二軒目に向かうとのことだ。明日は朝からバイトがあるからと理由をつけて、先に帰らせてもらおうと思案する。

 千晴は座敷までの道を歩きながら――頭の片隅には、さきほど会ったばかりの美しい人の顔をちらつかせていた。


 ――また、会えたらいいな。


 告げられた別れの言葉を思い出して、純粋にそんなことを思いながら。辿り着いた個室の障子戸を、千晴はゆっくりと開いた。


 この後、千晴を待ち構えていた“とある事件”により、玲衣夜が言っていた言葉が実現することになるだなんて――――当然、この時の千晴は知る由もなかったのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ