第1話「赤い炎」追放と出会い
「おい、このクソ餓鬼!調子乗ってんじゃねぇぞ!ちょっと魔術に詳しいからって口出ししてんじゃんぇーよ!」
ドンッ!!ドンッ!!と部屋中に響く音は、数を重ねるごとに重く音へとなっていく。
蹴られる殴られる罵られる.....これは日常...だ、当たり前のことなんだぁ....あ。。
全身がジクジクして焼けるように熱い気を失いそうだ...
「おいおい、テメェの身分を忘れちまったのかよ!!ほらァ!ブタのように泣けや!!」
「ぐあぁああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
「おかしいなぁ声がどうしちまっちゃったんだよ~!おら!!もっと痛い目にあいてえのか!!
しかたねぇーなぁ!もっと殴ってやっからその腐った顔面差し出せよ!!うひぇひぇひぇえ!!!!」
「ううぇええええええ!!」
「きったねえなぁ人様の部屋で吐いてんじゃねぇーよ!!
このまま死んでけや、ッあー、だめだわーおまえは俺の家畜だもんな。
このままいなくなったらちょーっとかなしくなったうかもなああ!!」
「うっ....」
最後に重い蹴りをみぞおちに食らって目の前が暗くなる。
目を開いた、いつものように光がない目を開くと青い海が広がっていた。空には雲一つない。子供ぶりの太陽が体の水分を奪う。
「あぁボクはこんな小さな小舟に気絶してるときに運ばれたのか...」
ボクがさっきまでいた国は、世界にとどろくストックライブ国だ。
世界にとどろくと聞いて、国民が世界一の幸せということではない。武力で世界を統一して脅迫して周囲の国から物資を奪っているなに一つ嘘のない国だ。
「小舟に乗せて死体で帰らせる遊びか....」
その中でもひどいのが社会で下の人間が家畜のように生きていることだ。上の人間に気に入らなければ暴力を受けるのは当たり前で理不尽なことは毎日だ、、人権?そんなものは元から存在しない。
「これが上の人間で流行ってる遊びか...人間を船に乗せて流して死体が戻ってくるかそれともそもまま忘れられるか、なんてふざけた人間たちだよ...」
この国に生まれた時点で上の人間として生きていけるのか、それとも下の家畜として飼われえるのかが決定する世界だ。
もっと自由な国があったらもっと自由な人生があったはずなのに........
ここでボクは木を失った――――――――
「ぁ...はまべだ―――」
声ががでない..
浜辺に上陸したとき、やっと足で地を踏めることに安心した俺は、すぐに寝てしまった。
ああ、おれは寝てしまっていたのか。のどが渇いて声も出せないこの言葉をだそうとするが、枕として使っていた葉っぱが柔らかくなっていることに気が付いた。(そうか、雨が降ったのか。)しかし体は暖かい。ゆっくり目をひらく、目の前が赤く染まっている。(この色はあの夜に見えたあの絶対的な暴力なのか。ああ、あいつらはボクをいじめるためだけに小舟で海を渡らせ、死を耐えたところであざ笑いながら殺そうとためだけにここまで用意したのか...)と、思い目を閉じる。絶望しこのまま眠ろうとした。
ーーーきみ!
「ーーーーー......んっ。。。。。。」
「おきて!!このまま逃げるつもり!?!?」
誰かが叫んでる。おれはこんな幻想をみるまで疲れてしてしまったのか...もう一度、自分の意思通りに人生をいきたかった。
「ねえねえ!起きなさいよ!あなたがこのまま追いつけないところまで行ってしまったら、この浜辺を散歩できなくなってしまうではないの!」
人の命を助けるためじゃなくて、自分の幸せを邪魔されない生き方なんて誰にも教えてもらえなかったな..
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおきいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!w!!!!!!!!!w」
うるさい。これが俺が生き返った原因なのだろうか。
これが最後だと思い目をゆっくりとひらく。目の前にやさしい炎の光とそれを超えるかのように深い赤く黒い瞳をした14歳くらいだろうかおれの寝顔を覗いている。
「はい、これ飲みなさいよ!」
彼女は目の前に水を差しだす。飲みたい欲しいだが三日も海をただよった俺の体は言うことを聞いてくれなかった。
「ーーあーごめんごめん、そっかー飲めないのかーじゃー私が特別に飲ませてあげようー!!光栄に思いなさい!!」
そういうと彼女は水を口の中に貯めた。こいつ...死にぞこないに慈悲を与えようとして相手が油断した時に絶望左折なんて...!??!どこまでひどいやつなん「ちゅーーー」
!?!??!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!??!?!?!?
胸が高ぶった。ボクは、彼女がからかって笑われると思っていたのだがなんともっとすんーーーごーいモノだった。
彼女はボクに口合わせに水を与えたのだ。
三日ぶりの水だ。
(生きるためなら飲まなくては...)そんなボクの気持ちは嘘つきで、胸が熱く、今にも脱水症状で倒れてしまいそうなくらいだ。
彼女も顔を真っ赤にしている、炎は小さく彼女の顔を照らさないように神様からいたずらされているかのように思えた。
「ごくごくごくごく」
「すごい飲むのね、せっかく川まで行って持ってきたっていうのにーわたしの分までのまないでよねー」
そんなことを言っているのに顔は赤く染まっている、なんて正直な子なんだろう
「...ッ!ァ!ッハ!ア!っあ!!あーあーああーありがとう、この死にぞこないに口渡しで水分補給をしてくれるお方のおかげでボクの命が助かった。ついでに君の散歩のお気に入りの場所も傷をつけずにすんだよ。本当にありがとう!」
声がやっとだせた!これでここがどこかわかる!
「っそっそそうよ!あなたを助けたのはたまたまで私が気持ちよく散歩するための道具になったのだからっ!なにも恥ずかしがることなんてないのよ!」
「ーーー?恥ずかしがるってなにをだ?」
「あ!あ!そそんなことはどうでもいいのよ!そんなことよりあなたの体の方が心配なのよーいったいどっからきたのーこんなにボロボロになってなんってひどい」
「帝国魔術研究学会から追放されたんだ...」
「帝国??」
「ああー海の向こうにある国かしら?それは大変だったわねー。どんな理由で追放されたのかしら?」
「ほんとなんでも聞いてくるんだな...そんなにボクのことが気になるのかー?」
「ッナ!!ッナ!!なにを言っているのかしら!?わたしはあなたのことが気になって眠れいなとか、ちょっと気になっているとか!そんな恋愛感情なんてないのよ!」
「へー恋愛感情かー」
「べっべ別に!違うのよそっそう!それはたとえそんなことは嘘で!追放劇をみてあなたをいじめたいとおもっているとかっそそそんなことなのよ!」
「もう、やめてあげよう..」
彼女の目を見ると涙があふれて逃げてしまいそうなくらいに泣いていた。しかし、どうしてだろう、こんなに可愛い女性を見るのは初めてだ。一言一言が面白い。
ボクが追放されたとこを全部話すと、彼女はもう声を出せないほどに号泣していた。
「そっそんな話あるわけないじゃない!っも!もうだよめよ私耐えられないわ!」
「さっきまでボクをいじめようとしていた人には見えない...」
「初めは旅に失敗したバカな人だなーって思ってたんのに..こんなに誰にも認められない人生なんて許せないじゃない...]」
「ざあああああああああああああああああああああああ!!!!」
静まった夜中の浜辺に大きなさざ波がと冷たい風が体にしみる。
それは今まで生きていた人生を受け入れているようで受け入れてないような、いいやそれより彼女が話のボクよりそのことに怒って悔しがっていることが衝撃だったのだ。彼女は赤他人をいや、口づけをしてしまったから恋人と言っていいのだろうか。とにかく、初めて会った「人間」の人生について聞いた時に悔しいといってくれたのだ。
これが悔しいということなのか。
今思えば、生まれてから誰かに一度も認められことなんてない、そんな日々におぼれてしまったボクは自分一番下だと思い込んでいかのかもしれないと初めて疑った。その当たり前が壊された気がした。誰にも褒められない、悪口を言われいじめられることが日常だったボクにはこの出会いが第二の人生の始まりだ。
「プッチ―――――」
ほっとしたのか糸が途切れたように眠りにつく、いままでの自分が中から溶けていくように感じた。
もし、もう一度生きられるなら...
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