表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
喫茶『Stern』 〜 月曜日の珈琲 〜  作者: 夏川 流美
58/60

『ごめん』



『お互い別々に、幸せになろう』




 意味を理解したのは、その言葉を言われてから数時間が経過してからだった。既読だけつけて返事はしてないままのSNS。彼女からそれ以降なにもきていない。



 僕の何がだめだったんだろう。あの時怒ってしまったからかな。あの時ワガママを聞いてあげなかったからかな。あの時甘えてしまったからかな。あの時あげたプレゼントが嫌いだったのかな。



 ぐるぐるぐるぐる、まわる思考はいつまでも落ち着かない。少し冷静になってからSNSを開くと、彼女のメッセージでまた思考が際限なく回りだす。それの繰り返し。



 冷たい指先で返事をしたのは、約半日後。『別れたくない』の言葉だけ。半日もしたというのに彼女からの既読はすぐについて、怖くてスマホの画面を消した。


 数分も経たないうちにメッセージがくる。




『ごめん』


『僕の何がだめだった? 教えて、直すから』


『ごめん、あなたは悪くないの』


『じゃあなんで? 僕は別れたくない』


『ごめん』



 なんでごめんしか言わないんだ。僕が聞きたいのは謝罪じゃなくて、別れなくて済む方法なのに。



 大好きだよ、愛してるんだよ。伝わってなかった? 伝えられてなかったのかな。こんなにも好きなのに。ずっとずっと考えちゃうくらい大好きなのに。彼女が笑ってくれるだけで胸がいっぱいになって、とても幸せになれたのに。



 もう、だめなんだね。








『わかった、ごめん。


 ずっと愛してるよ。


 幸せになってね』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ