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喫茶『Stern』 〜 月曜日の珈琲 〜  作者: 夏川 流美
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欠けた想い

 初めて知った。触れられた頬が熱を持ち、耳から指先まで熱くなること。目の中に映る私はいつだって可愛く在りたくて、すっぴんなんて見せたくないと思えること。服を買う時もアクセサリーを買う時も、褒めてもらえるかってこと考えてばかりで自分の好みが無くなっていくこと。



 全部彼が教えてくれた。私が知らなかった感情も、考えも、何もかも知ることができた。


 幸せだった。大好きだった。結婚したいと思えていた。一緒に暮らせたらどんなに良いだろう。寝ても覚めても隣に彼が居てくれる生活は、どれほど幸せなことだろう。




 そう思えていた頃の私は、今どこにいってしまったのか。




 好きと言われても揺らがない。触れる指先が鬱陶しい。彼からきた連絡も返さないまま時が過ぎていく。


 たしかに好きだった。なのに、今はもう、どこにもその感情が見当たらない。


 こんな私に、罪悪感だけは抱くのに。


 罪悪感しか、抱かない。

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