表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
喫茶『Stern』 〜 月曜日の珈琲 〜  作者: 夏川 流美
50/60

ラーメン屋の特等席


「豚骨ラーメン、特盛で!」



私の視線の先、カウンター端に座る彼は、そう注文する。華奢でしなやかな体をしていながら、いつも特盛を食べていた。


 いつだったか、何かのタイミングで彼の食べている姿が見える位置に座ったことがある。バレないようにこっそりと観察していたが、器からはみ出る程の盛り付けはあっという間に無くなった。



 細い体のどこに、あの量のラーメンが吸収されているんだろう、と疑問に思っていた。来る度に見かける彼の後ろ姿に、気付けば毎回目を奪われていた。


 今日は、彼を初めて見かけた日から半年になる。半年も執着していたわけではなくて、気になり始めたのはつい最近だけれど。


 もし声をかけたら、話してくれるだろうか。隣に座って一緒にラーメンを食べたり、できないだろうか。彼の食べている姿を、特等席で見てみたい。



 彼がうんと背伸びをして、一息吐いた。店員さんに挨拶をして立ち上がった姿を見て、慌てて立ち上がる。


 決まっていた、私の第一声。



「あの!




 ――貴方と一緒にラーメンが食べたいです




 ……なんて」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ