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喫茶『Stern』 〜 月曜日の珈琲 〜  作者: 夏川 流美
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君の幸せを想う

 僕といる君は泣き虫だ。




「もうやだ、辛い」



 そう言ってぼろぼろと涙を溢し、くしゃくしゃにした顔。縋ってきた君の頭を抱き寄せ、優しく、ゆっくりと撫でてやる。



 こんな時僕はいつも、声がかけられなかった。どんな言葉をかければ良いのか、分からなかった。下手なことを言って傷付けてしまうのではないかと、怖くもあった。自分の無力さを痛感して、僕まで泣きそうになる。


 君の感じている苦しみから助けてあげたい。僕の言葉で、僕の想いで、助けることができたのなら存在意義がある。君の隣にいても良いんだと思えるのに。



 僕は無力だ。



 たったひとつの言葉で、君を救えるかもしれない。

 たったひとつの言葉で、君を幸せにできるかもしれない。


 だけど

 そんなたったひとつの言葉すら思い浮かばず、声に出せず、黙ってそばにいることしかできない。


 僕は君を幸せにできない。

 僕といると君は、すぐに泣いてしまう。




 君の幸せを願うなら

 きっと






「別れよう」






 これが

 正しいんだ。









………先週分です

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