料理教室①
自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。
誤字脱字と間違いの表現が多いので、大変申し訳ございません。
ただいま、40話までやり直していました。
これからもよろしくお願いします。
始まりの町の北東部に位置する幅広い建物の前に、キラキラの長い銀髪に黒い暗殺者のパンクコートジャケットを身に纏った美少女は壁に腰かけて、人を待っているように焦って周りを眺める。
「お兄ちゃん遅いね。まさか可愛すぎで誘拐されちまったの!イヤイヤ、クロムちゃんたちがついてるよ。きっと大丈夫!」
タナはそう言いながら、空を見上げる。
「ダメだ!お兄ちゃんは時間が守れるタイプだ!何かあったに違いないよ!」
タナの妄想を進行する中、隣の藪からサー、サーと音が伝わってきた。
「誰だ!早く出てて!さもないと、殺すよ!」
それはきっと不審者であると思ったタナは、二本のダガーで藪を指しながら、声を上げる。
「やめろう!俺、俺だ!」
耳慣れた声が聞こえると共に、藪からピカピカの金髪をしている美少女の頭が出る。
そして、その上に座ったモフモフのパンダが嬉しそうにぶんぶんと挨拶する。
「グォ~」
「遅くなって、ごめん」
「おに、ヒュプちゃん、何でこんなところで?」
「最短ルートってこんな感じか?アハハ…参ったな」
葉っぱと土埃まみれのヒュプとフィユを見て、先までの心配が吹き飛ばされたように、タナはあーっはっはっと高笑いする。
「なによ、その女の子らしくない様は。良いお嫁さんになれないよ。早く出てきなさい」
「お嫁さんってなんだ!俺は男だ!」
ただ一人の妹に対して、ヒュプは溜息をつくしかなかったのだ。
身なりを整えて、タナについて建物の中に足を踏み入れる。
そこは、百人以上が同時に食事できる高級レストランのロビーである。
そして、両側で別々にパンやデザートなどのお持ち帰りができる食品販売コーナーと調理器具や食材を販売した食材ショップを設置した。
タナはカ食品コーナーに立ったNPCの声を掛ける。
「こんにちは、ファーさん」
「あら、タナちゃん。こんにちは。おや?」
メイド服を着た二十代の女性はタナに挨拶をしながら、後ろにいるヒュプに目が引かれる。
「この子は初めて来たよね。タナちゃんとそっくりよ。もしかして、姉妹では?」
「はい、妹のヒュプちゃんだよ」
「イヤ、俺はタナの兄だ!」
「兄って?」
前に男のことを封印ショップのタミに教えた時と同じ、ファーというNPCも恍惚とした表情を浮かべている。
「姉、姉だよ!双子だから、ヒュプちゃんはずっと姉ちゃんになりたい」
タナは、ヒュプの耳元にひそひそと話しかけてくる。
(その呼び方は辞めてくれ。このままじゃ、あたしは変な人の妹ってイメージを植え付けられてしまうよ)
(えっ、でも……)
(そして、その幼女の姿って説得力は僅かでもないんだよ。さぁ、早く誤解を明らかにしなさい。さもないと、パンダちゃんの写真をお母さんに見せるよ)
(そっ、それだけやてくれ。分かった)
「ファーさん、ごめんなさい。さっき言い間違った。俺はタナの姉だ」
「イヤ、ヒュプちゃんの方が妹だ!」
「イヤ、それだけ絶対に譲らねぇ!」
姉の座を争い合った少女たちを見て、ファーはにやりと笑い出す。
「二人は仲が良いね。タナちゃん、今日はどんなデザートを買うかしら。すぐ用意するよ」
「イヤ、今日は料理教室を受けに来たもの。ヒュプちゃんも一緒」
「ふふふ~、それなら、マスターはきっと嬉しいわ!なんと美少女二人が来てくれるなんて!さぁ、こちらの控室へどうぞ」
「はい、ありがとう。行くよ、ヒュプちゃん」
タナはウキウキしてヒュプの腕を組むと、控室へ歩く。
「うん、くっつくなって、人の前だ!」
「イヤ~ダ」
「ふふふ~、仲がいい姉妹だね」
『クエスト:エドの料理教室を受注しました』
控室にやって来て、ヒュプが尋ねる。
「アレ、このクエストは受講料っていらないか?」
ヒュプがそういう疑問を抱いた理由は、[EGO]で生活系のスキルを取得するため、クエストをクリアしなければならないのだ。クエストの内容について、商品の配達依頼を受けると受講料を払う二種類があった。
「あら、そう言うことか。あたしね、ここでもう合計四万Gのデザートを買ったんだよ。二万Gを消費すると料理教室が無料で受講できるもの」
「四万Gのデザートって、お前、一日何個食べたるんだ?」
「えっと、朝は三つ、午後は四つ、寝る前も三つだよ~、いい気持になったら更に三つ。大体こんな感じ。気にするな、ここはVRMMOの世界だよ。カロリーを気にする必要はないんだよ」
得意げな顔をしたタナを見て、薄い苦笑がヒュプの顔にのぼる。
「はぁ……それはそうかもね。と言えば、受講料はいくら?俺の分をあげるぞ」
「いいのいいの。その代わり、美味しい料理を食べてくれよ」
「グォ」
ヒュプがまだ返事してないうちに、フィユは「私にも食べてくれ」と示すように期待の眼差してヒュプをジーっと見つめる。
「心配するな。可愛いフィユの分は忘れるもんか。二人とも、楽しんでくれよ」
「グオ~」
「イェーイ~、さぁ、キッチンに入るよ」
「うん、分かった」
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