夜の図書館③
本型モンスターが消えるに伴って、本の山に埋もれた転送魔法陣が現れる。
「魔法陣って、まさかクエストがもう終わった?」
「そう…とは思わない。さっきの提示によると、また三分の一に過ぎないぞ」
「なるほど。さぁ、早く入ろう」
ヒュプたちは魔法陣に足を踏み入れると、眩い光に包まれる。
次に目を開けた時、そこは元の図書館とそっくりな所だった。
「えっ!元に戻った?まさか図書館のクエストはこれだけ?」
タスクは隣の本棚をざっと見回すと、眉根を寄せて真剣な顔をする。
「ここは元の場所じゃないぞ」
「えっ?どう見てもさっきの図書館だぞ」
「これを見ろ」
タスクはその本棚からある本を取り出して、ヒュプに手渡す。
ヒュプはそれを開いて、異常に気付いた。
「アレ、この形の字って見たことがない」
「そう、それは今の時代の文字じゃなく、4000年前の古代文字だ」
「えっ!4000年前って?イヤ、待て待て、何でそれは古代文字ってあることがわかるか?そして、ここは4000年を経って、様子は全く変わらないなんて、きっと嘘だろう?」
「図書館のボスと戦うため、俺は[古代言語学]ってスキルを覚えたぞ」
「ボスのためか。なるほど。ビックリしたんだ。だって、お前って勉強や知識などの言葉と全く似合わないからだ」
「ホ~」
「なんだとう。お前ら!」
クエストを続けため、ヒュプたちは別々で閲覧室で手がかりを探している。
しかし、図書館で何度も探して、手がかりも進む道もどっちでも見つからなかった。しかも、ここに転移された時、帰り道が既に消えていった。
埒が明かないのである。
タスクが思案顔をしている一方、ヒュプはフィユとスフレを抱いて、本棚に寄りかかって座り込む。
「少し休んでくれ。俺たちはもう限界だ」
「おい、これはお前のクエストだ。ほら、クロスケは一生懸命探しても、文句一つもないんだぞ」
クロムは本棚に下りて、我が儘の金髪幼女を見て、やれやれというふうに溜息を吐く。
「ホ…」
タスクはクロムのところに来て、その丸い頭を軽く叩く。
「お前も結構あがきだな、クロスケ」
自分の苦労が理解できるタスクを見て、クロムは「意外にいい奴かもしれない」という考え方が芽生えた。
「ホー」
「おい、お前。うちのクロムに変なことを教えるな!」
ヒュプは頬を膨らんで異議を唱えながら、立ち上げようとする。
しかし、長時間で足を組んで座ったため、足が感電したように痺れて、後ろに倒しれて行く。
「うわああああ!」
体を支えるため、慌てて手で本棚を力強く押すと、その本棚はずるずると横に移動して、隠し部屋の入口を譲っていった。
「おおお!こんなところで入口があったなんて、まるで脱出ゲームだ」
「アハハ…マグレだ、マグレだよ。さぁ、早く中に入ろう」
「ホ~」
「グォ~」
「メェェ~」
隠し部屋に足を踏み入れると、目に入ったのは、中世ヨーロッパ風の書斎だった。
そして、あるハードカバーの本が机の上に置いている。
「やった、これはきっとクエストの図鑑だ。やっと見つけた」
ヒュプはそう言いながら、早足で机の前に着て、その六法全書より厚い本を持ち上げる。
すると、クエストの効果音がヒュプの脳の中に響き渡ると共に、文字がびっしりと書いてあったパネルが二人の前に浮かべる。
『ここに辿り着いた者へ
私の名前はルイズ・ファスト。モンスターの生態を研究した者。数十年の時を掛けて、百種以上のモンスターのデータを記録してから、まるで自分の子のような図鑑を編集した。完璧にモンスターたちの姿を見せるため、作った時に、禁断の魔法でモンスターたちの体毛や爪などの体の一部を紙に秘めておいた。
しかし、文字通りに禁断の魔法なので、この子はモンスターたちの力で自らの意識が生まれて、魔王にさえ負けない魔力を手に入れてしまった。国さえ滅ぼす魔力に怯えた私は、滅ぼすつもりだったけど、まるで自分の子だと思い、決心がつかなかったのだ。あれこれ考えた末、ここに封印した。
魔獣のような子が馴らされる者がきっと現れると信じて、この手紙を残していた。
では、この子のこと、よろしく頼みます。
ちなみに、今残ったのは図鑑のカバーしかなかった。頁は全てモンスターとなって、逃げてしまった。あなたたちなら、きっと全ての頁が集められるよ!頑張ってください!
最後の一言で、私は決して責任を逃れているのじゃないよ!!!』
『貴重アイテム:モンスター図鑑のカバーを獲得しました
クエスト:[紛失したモンスター図鑑]進度 2/3』
この度、自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。
『面白い』『続きが気になる』と思われましたら、是非ブックマークの登録をお願いします。
拙作を評価していただけるととても励みになりますので、大変嬉しいです。




