ヒツジ封印
自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。
誤字脱字と間違いの表現が多いので、大変申し訳ございません。
ただいま、33話までやり直していました。
これからもよろしくお願いします。
緑色の海のような草原の上で、図鑑カードを狙った二人の羊狩りが進んでいる。
羊の行動パターンはリンクなので、二人は羊を一匹ずつ群れから誘い出してから倒す戦術を取った。
始まってからもう三十匹倒して、ヒュプのレベルが20に上がったが、カードは全くドロップしていなかった。
タナを待っている間で、ヒュプは退屈を紛らわすため空を眺める。
「あの雲の形ってクロムとそっくり。こっちの方はフィユと似てる。アハハ~……はぁ…、つまんない。タナは遅いね。もう二十分以上…!」
話がまだ終わってないうちに、大地が揺れている感覚が足に伝わる。
タナがいる方向に目を向けるヒュプ。先ほどまでの顔つきとは打って変わって真剣だ。
そこには、姿が徐々に大きくなってくるタナとその後ろを追いかけている沢山の羊だ。
「タナ、何をするつもりだ!一匹ずつじゃないか?」
「それだと時間がかかりすぎるんだ。今回は少なくとも四十匹以上の羊さんを引き連れてるんだ。すごいでしょう、[トレイン]って]
[トレイン]では、数多くモンスターを電車ごっこのように引き回す行為である。沢山のモンスターを範囲攻撃でまとめて倒すと大量の経験値が得られるが、敵の数が限界数を超えると他の場所に敵がいなくなるため、他のプレイヤーに迷惑をかける不正行為に属する。
ここは二人しかないので、迷惑を掛けることを考えなくてもいいのだ。
「ヒュプちゃん、交代」
先頭を走っていたタナが、ヒュプとハイタッチする瞬間、体を覆う赤いオーラがヒュプに転移していた。
それが、モンスターの攻撃目標となる証拠なのだ。そして、それはわざと羊たちを誘い出す理由であった。
モンスターに囲まれる状態で戦ったら、敵が二人にランダムで襲い掛かる。
今のように敵のヘイトを引いて、全てヒュプに転移するので、タナは敵に攻撃を加えてもターゲットにならないのだ。
つまり、ヒュプは今、四十匹以上の羊たちの攻撃目標になってしまったのだ。
「はぁ…タナはやりすぎ。まぁ、カードを早く手に入れるためだ。スヤー~」
すると、無敵の睡眠状態になっているヒュプは羊たちのサンドバッグになった。
十匹以上の羊が一斉に頭でヒュプのお腹に突進攻撃をしたが、一割さえ削っていないだけでなく、瞬きの間に回復してきた。
「羊さんどう?俺の防御力と回復力は共に53万ですよ!アハハハ~」
メェェと鳴きながら何度も何度も体当たりを繰り返す羊たちとそれをアハハと笑いながら受け止めるヒュプ。
そして
「デスクロススラッシュ!」
羊の群れの後ろに回って、ダガーを振り回して羊を一匹ずつ倒し続けるタナ。
引き回した羊が最後の一匹だけになった時、待ち望んだドロップの効果音がやっとタナの耳元に流れ込む。
『レインブルビのカードを獲得しました』
「ヒュプちゃん、カードがドロップしたよ!」
タナはカードを持ちながら、ヒュプのところに向かう。
視界に入ったのは、白く柔らかな枕のような子羊を抱いて遊んでいるヒュプだった。
「ぎゃー!可愛い子キタァァ!」
ヒュプの手から子羊を奪い取り、ぎゅうっと抱き締めるタナ。顔をぐりぐりと押し付け、ジタバタと子羊がもがく。
子羊は、ワクワクしたタナにビックリしたように、苦しげな声を上げて抵抗する。
「メェェ!」
「お前、抱き締めすぎ。この子は怖がってるぞ!」
「あっ、ごめんね、あなたが可愛いんだもの」
「メェェ~」
タナのお詫びを受け入れたように、子羊は嬉しそうに鳴き出す。
タナはモフモフの子羊を撫でながら、ジーっと見つめる。
「この子って他の羊さんより体が結構小っちゃいよね。一体?」
「うん、最初は体が小さいから、全然気づかなかったけど、お前が羊さんたちを倒し続けるとこの子が現れたんだ。そして、この子は攻撃をしていないけど、ずっとスキルで他の羊さんたちを支援してたぞ。ん…多分亜種かな~と思ったんだ」
「亜種か、そうかもしれないよ。これ、早く登録を」
「うん、サンキュー」
タナの差し出したカードを受け取り、図鑑に登録する。
――――――
レインブルビ
種族:野獣系 属性:光 亜種:有り
体力★★★
筋力★
魔力★★★★
精神★★★
敏捷★☆
器用★☆
草原に生息する中型のモンスター。おとなしい草食動物のため、自発的に人を攻撃しない。
その厚い体毛のおかげで、極寒の環境でも生きられる。
回復魔法と支援魔法が得意な亜種がある。
行動パターン:リンク
ドロップ:[ヒツジの角]50%、[羊の毛]25%、[レインブルビのカード]1%
[スロット装備効果]
位置:足 受ける魔法ダメージを15%軽減する
――――――
「本当だ。この子は回復特化の亜種だ」
ヒュプが顔を子羊に近づけると、優しく尋ねる。
「ね、俺たちと一緒に行かない?」
「メェェ~」
承諾のような柔らかい鳴き声が聞こえると、タナはダガーの柄で子羊を軽く叩く。
すると、子羊のHPバーは一気に一割以下まで減った。
「タナ、やりすぎ。この子が死んじゃったらどうしよう?」
「心配しないで。あたし使ったのはあなたの[手加減]と同じ相手のHPをゼロにしない[峰打ち]っていうスキルだよ。早く封印を」
「うん、分かった。サンキュー」
ヒュプは道具欄から封印カードを取り出した。
「封印」
すると、地面に魔法陣が現れ、子羊を吸い込んでいった。
『封印成功しました』
『[レインブルビ]の召喚カードを獲得しました』
「やった!モフモフの子、ゲット!」
「おめでとう~、早く呼び出して」
「召喚は…後にしよう」
「へぇー、どうして?まだあの子と一緒に遊びたいの!」
「腹が空いてないか?」
ヒュプはそう言いながら、燃え立つような赤い空を指さす。
「えっ!もうこんな時間!?早く帰ろう、お腹がもうペコペコだ!」
「アハハ~、オーケー!」
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