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異世界奇行〜聖女は魔王軍に寝返りました〜  作者: 白飯(しろいごはん)
3/7

第1話 聖女降臨!

遅くなって申し訳ないです。


とりあえずここから本番になります。

よろしくお願いします

あまりの眩しさについ目を瞑っていたが、恐る恐る開けてみるとそこは映画館の中ではなかった。

しかも目の前では緑色の小柄な生き物と何人かの若者っぽい者たちとが熾烈な争いを繰り広げている。


「あれぇ?この映画って4Dだったっけ???」


頬っぺたを引っ張ったり抓ったりしながら目の前の状況を見つめる。

その傍で尻餅をつきボーゼンとしていた神官は目の前に人が現れたのを見て叫んだ。


「ゆ、勇者殿!聖女様が、聖女様が降臨なされた!」

「何、本当か!だがこっちは手が離せない、神官様何とか聖女様を安全な場所まで連れ出してくれ!」

「わ、分かりました」

「そうはさせるか!お前ら聖女を奪取しろっ!」


勇者たちに群がっていたゴブリンが聖女の方に向かい始める。


「聖女様の所には行かせない!ハァーーーーーッ!!」


大剣を横薙ぎに払うと衝撃波がゴブリンたちを襲い吹き飛ばした。

混戦がひどくなってきた中、神官はなるべく態勢を低くして這うように聖女へと近づいていく。


その中一人全く状況がわからなく、混乱する頭を何とかするべく確認していた。


「ふふふ、何だろうこの状況。映画〜じゃあないよねぇ…。いつの間にかイベント会場に!って、ありえねぇ。」


目の前の現実を認めたくないのか、視線はあらぬ方向を見てる。

頭がお花畑になりかけた時、こちらににじり寄ってくる男がいた。


「せ、聖女様。そちらは危のうございます!こちらにお越し下さい」


こちらに来るように言って手を伸ばして来る男。

聖女の反応はというと


「うぎゃーーーーっ!!こっちに来んなーーーーーーーっっ!!!」

「ぐぎゃぁっ!?」


聖女は足下にに落ちていたそこそこの大きさの瓦礫をつかむと思いっきり男に投げつけた。

瓦礫は男の顔面にクリーンヒットした。


「な、なじぇ…」


神官には悪いが、仕方がない話である。

強面の男が目を血走らせながら匍匐前進して来たら誰でも戦慄するだろう。

ちなみに神官の戦闘能力は皆無である。本当に外見で損をしていた。


「ふう、危ない所だった。絶対アレはヒットマンだね!なんかセエジョとか言ってたけど。何だろう?それよりもこの状況、認めたくないけどやっぱり異世界…だよねぇ。うぉぉ、何でだよ。何で私だよ…」


先ほどの遣り取りなどなかったかのように今の現状を嘆いていた。

そしてその攻防を離れたところで見ていた者がいた。


「何でかは知らんが邪魔者が居なくなり、聖女を攫うなら今だな!」


狼の姿をした獣人、魔王軍四天王の一人獣魔将軍だ。

獣魔将軍はおもむろに指を唇に当てピーッと甲高い音を吹き鳴らした。

すると天井に開いていた穴から大きな黒い塊が飛んで来た。


「あそこにいる女を連れて行くんだ!」


ギニャー!と鳴いた黒い塊は聖女に覆いかぶさると、そのまま天井の穴に向かって飛び去った。


「しまった!聖女様がっ!!」

「ハーッハッハッハ!!!聖女はもらって行く!もうここには用は無い。ゴブリンキングよ、後は任せたぞ!」

「ハハー、お任せ下さい。勇者どもよ、今日が貴様らの最後だ!!」


獣魔将軍は懐からビー玉サイズの玉を取り出すと指で押し潰した。

すると一瞬にしてその姿は掻き消えた。どうやら転移の魔道具のようだ。


「クッ!聖女様を攫われてしまうとは…!必ずお救いいたします!!だが今は目の前のこいつを倒すぞ、みんな!」


悲観にくれるのもつかの間、すぐに闘志を燃やし目の前の敵に挑んで行く。

他のメンバーも各々返事を返し同じく敵へと向かって行った。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖



一方その頃、当の聖女は空の旅を満喫していた。


「うぉぉぉーーーっ!これは満喫とは言わないぃぃぃーーーっ!!!死ぬーーーー」


地上から大体二千メートルのあたりを飛んでいた。宙ぶらりんの状態で。


「は、はははー。U○Jのナントカ言うコースターなんか目じゃ無いね!乗ったことねぇーけどーー!」


アレです。プテラに捕まっちゃったよコースターです。言われなくても分かってますか?そうですか…


「…やっぱりこれってなんかの生き物に襟首掴まれてるか、咥えられてる状態だよね。えーっと、お願いだから離したり口開けたりしないでね!」


何かの生き物は「ミギャ」と、返事をした。そして聖女は落下していった。


「言ってるそばからーーーーーーーーーーっ!」


何の装備もなく自由落下していく聖女。

何とか体勢だけは立て直し大の字になる。だが落下の空気圧がすごくて喋れないでいた。

(異世界でペシャンコになって死ぬのはイヤーーーーーっ!)と、心の中で叫んでいるとフワッと何かに包まれた。

見ると黒いモッフモフの何か。その何かは背中に羽の生えた四足歩行のケモノだった。

ライオンの様な太い足に細くてしなやかなシッポ、先っちょはフサフサしている。そして頭には三角の耳が二つ付いている。

ミギャっと鳴いてこちらを見る顔は


「えぇーっと、猫?でっかい空飛ぶニャンコ!?」


身体はライオン、頭は猫、そして羽が生えている謎生物だった。


「助けてくれてありがとう。たとえお前のせいで死にかけたとしても可愛いから許す!ふふふモッフモフ〜vv」


ワサワサと触り倒してくる聖女に居心地悪そうな顔をして先を急ぐ謎ネコ。

しばらくすると森を抜け、遠くに建物らしき物が見えてきた。


「ん〜、もしかしてあそこに向かってるのかな?それにしてもこのニャンコってどうやって飛んでるんだろ?普通に考えたらこの巨体は飛べないよね。魔力的なモノ?う〜ん異世界はすげーなぁ、ロマンだねぇ。」


などと余裕が出てきたのか一人ウンウン頷きながらどうでもいい事を考える。

そのうちに建物がかなり近づいてきた。ちょっと古めかしい石造りのお城だ。

四方に塔が立っていて壁面は蔦で覆われている。なかなかの趣だ。


「おお、スゴイ。目的地あのお城なんだよね。どんな出迎えをされるのか、あードキドキしてきた。」


謎ネコはゆっくりと城の中庭へと降り立った。

ブックマークありがとうございます


本当に文章書くの遅いので気長に待っていただくとありがたいです。

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