湾岸線のドライブ(Remake)
掲載日:2018/01/01
私はふと雨の音に気付き、目を覚ました。視線を横へと向けると、そこには彼の穏やかな笑顔があった。彼はハンドルを握ったまま湾岸線を進み続けていたけれどこちらへとふと振り返り、唇を柔らかく微笑ませてみせる。
「ぐっすり眠っていたね。もう少し先までドライブしようか?」
彼の言葉に私はうなずいてみせて、もう一度シートに身をもたせかけた。するとまた、心地良い脱力感に襲われてきた。
今の夢は、どんなものだった? そしてこれから見る夢はどんなものなのだ?
「まだ眠ってていいよ。後で、起こすからさ」
彼にそう囁きかけられて、私は自然と瞼を閉じてしまった。白い靄に体を放り込まれ、物語の泉へと否応なく吸い込まれていく。そこに再現されるドラマは誰かの涙、誰かの笑顔、誰かの人生そのものだった。
やはり湾岸線のドライブは誰かの夢を私に見させる。




