彼女の情報が欲しい
前回の続きです
いつも通り作者の趣味全開で書いております。
「頭も打ってないですし 勉強のし過ぎでもありませんよ まず!頭もおかしくなってませんから!」
俺は先生の心配を真っ向から否定した。
「本当か?ならいいんだが」
まだ少し俺のことを心配してくれてるようだったが、納得してくれたようだ。
「で?お前の彼女について聞きたいんだったな?」
やっと本題に入れる・・・ 俺はこれからも他人に彼女の説明をする時、こんな過剰な心配と反応をされるのだろうか?
そう考えると頭が痛くなってくる。
「ええ、そうです」
「まず、お前の彼女かもしれない人物の名前を教えてくれ そうじゃなきゃ何も始まらないしな」
「かもしれないって なんですか・・・」
「忘れてくれ」
まだ、少し疑ってるらしい いい加減に信じてほしいものだ。
「俺の彼女の名前ですね 水上です 水上亜里沙です」
「ほう 水上か・・・ お前は吉野以外の人間とはあまり接点がないと思っていたんだが・・・あんな美人を彼女にしたのか 凄いじゃないか!見直したぞ!」先生は笑顔を作った。
どこを見直してくれたのか 分からないがお礼は言っておこう
「ありがとうございます...?」
「しかし、妙だな・・・ あいつは学校には殆ど来ていないはずだぞ お前とはクラスも違うだろう
何故、水上はお前のことを好きになったんだ?」
先生は俺の抱いていた疑問そのものを口に出す。
「俺もそこが疑問なんですよね」
「知らないうちに何かしてたんじゃないのか?」
「そもそも俺、告白されたときに初めて水上に会ったんでその線は薄いですね」
「ますます、分からなくなってきたな」
「ですよね!なので、俺本人に何故好きになったのか確かめに行くんで水上の家の住所教えてください」
俺がそう言うと先生は即答した。
「無理だ」と
「いやいや 生徒の住所を教えることぐらい 別にいいでじゃないですか!」
先生は苦い顔をする。
「昔はそれも許されてたかもしれないが、今はPTAの奴らがうるさくてな もし住所が露見してうちの子に何かあったらどうするんだ!とかな」
それもそうだと思った これは俺の偏見かもしれないが昔よりも近所付き合いは減っている
モンスターペアレントも増えた気がする。
「というわけで、私からお前に教えれることは何もない わざわざ来てくれたのに悪いな」
俺は首を横に振った。
「気にしないでください 先生が責任を負わされても俺も後味悪いですから」
「そう言ってくれるとありがたいよ 代わりと言ってはなんだが水上の家の住所を知ってそうな生徒の名前と顔なら教えることが出来るよ」
「マジですか?」
「ああ、こいつなら知ってると思うぞ」
先生は俺に写真を差し出す。俺は写真に目を落とす。
そこには、金髪で短髪で、目つきは険しく、バットを肩に担ぎ、耳にはピアスを付けている男が写っていた。
・・・・・ヤンキーにしか見えない てか、絶対ヤンキーだろこれ・・・・・
「なんですか?このヤンキー」
「やっぱりお前にもこいつがヤンキーに見えるのか・・・?」
先生は表情を曇らせる。
「あれ違うんですか?」
「イヤ ヤンキーだ」
思った通りだった。
「こいつが水上の家の住所本当に知ってるんですか?」
「一応、こいつは水上の幼馴染らしいぞ」
「・・・・・・マジすか?」
「おおマジだ。」
「こいつに住所聞いてこいて言うんですか?」
「それしか、お前が水上の住所を知る方法はないと思うぞ」
この人は俺に死ね、と言っているらしい
「俺に死ねって言ってるんですね」
すると、先生は満面の笑顔を作り
「怪我しても保険降りるから安心しろ」
俺はそういうことを言ってるわけじゃないんだけどな
「じゃあこの人の名前とどこにいるか教えてください」
「野球部だからグラウンドにいると思うぞ こいつの名前は、熊谷 勇気だったはずだ」
「なんで だったはず なんすか・・・・・」
「気にするな 気にするな」
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靴箱で靴を履き、グラウンドに足を向ける。
グラウンドは校舎よりも低い位置にある。
階段を下ればすぐにグラウンドだ。
うちの学校の野球部は強豪で練習メニューもきつい。
ちなみに俺は部活に入っていない。面倒くさいから
まあ、部活に入っていない俺の目から見てもうちの学校の野球部のメニューはきついということだ。
そして、グラウンドに入り辺りを見渡す。
俺は、素振りをしている熊谷を見つけた。
次回も出来るだけ早めに投稿したいです。