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第28話 栄養不足の少女 4

僕たちはメイレイという盗賊団の幹部から、宣戦布告を受けた。僕たちは盗賊団のアジトにいかなければならなくなってしまったのだ。僕たちは盗賊団のアジトに向かうために一旦自分の家に戻る。それぞれの装備を整えるためだ。

メイラは先に家に帰ってもらったが、僕は家に帰る途中、爆発が起きた広場に向かってみた。そこにつくと、人々が集まっている。奥の方を見ると兵士団の人たちがいた。その中に見慣れた顔がある。


「オームさん!」


僕はその男に声をかける。するとその男は振り替える。


「ん? セツナじゃないか。すまんな。今忙しいんだ。後にしてくれないか。それの原因を調査しなければならないんだ」


そういいながらオームは煙の出ている箇所を指差す。そこには5mほどの穴が開いていた。


「幸い人がいなかったから怪我人はいないんだが、全く原因がわからないんだ。ここに何かの魔法でも打ち込んだんならいざ知らず、街中で魔法を使うバカもいないはずなんだがな」


オームが呟く。その言葉に僕は知っていることをすべて話す。オームにも知ってほしかったからだ。


「その爆発。多分あの盗賊団のものです」


「あの盗賊団? あの危険な二人組の所属している盗賊団か? あれはそんなに危険なことはしないはずなんだが……」


オームは少し考え込んだあと、爆発している付近を調べている兵士を集めた。兵士の数は30人ほど。あの事件を受けて、国が兵士を多くこのまちに配置したのだ。


「これから俺たちはあの盗賊団のアジトに向かうぞ。この原因はあいつらにあるらしい」


オームは他の兵士たちに向かって言った。兵士たちは特に何かを言うことなく、素直にはいと答えた。


「と、いうわけで俺たちはあの盗賊団のところに向かう。君たちは危険だから、街の中で待っていてくれ。ギルドの方にもいって、今日は外出しないように言っておく」


そう言うとオームは向こうを向いた。しばらくしてから盗賊団のアジトにむかうのだろう。もちろん僕たちも向かう気でいる。そもそも、やつらの狙いは結局のところモル、そしてその周りの人たちだ。僕たちがいなければ何も始まらないだろう。


「僕たちも行きますよ」


僕はオームにそう伝えた。それを聞いた瞬間オームは振り返って何かを言おうとしたが、それよりも早く僕は自宅に向かっていた。


家につくと、メイラが既に準備を終えていた。メイラは親切にも僕の分の準備もしてくれていた。


「ありがとう」


「いや。なるべく早く行った方がいいでしょ。そのために準備しただけよ」


メイラはそう冷たくいい放つ。最近メイラが日に日に冷たくなっていっているのは、僕が変態になったからだろうか。いや、変態にはなっていないが。

玄関から出ようとすると、モルが声をかけてくる。


「あれ? セツナさん。メイラさん。どこかに行くんですか?」


モルは現在、アボに見てもらっている。アボには既に事情を伝えた。しかし、今アボはモルのための料理を作っている。あいつ意外に家事とか出来たんだな。っと。そんな話をしている場合ではない。モルに一体何をしているのか伝えなければ。


「ん? ああ。割りのいいクエストがあったんだよ。だからちょっと行ってくるわ」


「そうですか。気を付けてください」


モルはそう言うと頭を下ろして、また、ソファに横になった。僕たちは行く準備が整い、集合場所である広場に集まった。

集まった人は、僕とメイラ、パスカルそしてポトゾルだ。


「ポトゾル。まだ休んどいた方がいいんじゃないか?」


「もう十分休みましたよぉ。私も十分戦えるので連れていってくださいよぉ」


人が多い方がいいとは思うが彼女をつれていくべきかとても悩んだ。しかし、彼女の持続的な能力は使えるかもしれない。地味にこのメンバーの中で魔法系のスキルを使えるのはポトゾルしかいなかったりするし。少々悩んだが連れていくことにした。


僕たちは12時を過ぎた頃に、盗賊団のアジトに向かって出発した。

道中は暇だった。周りの人と他愛もない話をしていたが、しばらくすると話題も無くなった。しばらくの沈黙が続いたあと、ポトゾルが声をあげた。


「私の村について話そうと思うのですがよろしいでしょうかぁ?」


もちろん話題もなく、ただ暇で盗賊団のアジトに向かうよりは、何か話をして盛り上げた方がいいだろう。


「いいよ。お願い」


そう言うとポトゾルは語り始めた。


「私の村はこのまちからずっと北の方にあるのですよぉ。人口は100人くらいです。いや、正確には100くらいでした。私たちの村は所謂、属性類の村で、人々の生活はとても豊かでしたぁ。木を切って売るにしても、攻撃力の高い人が一人でもいたらそれでいいのですからねぇ。しかし、そんな状態を変える事件が起こったのは5年前です」


ポトゾルは少し声のトーンを落とした。


「その村に一人の老人がやって来ましたぁ。始めは不思議だと思って様子を見ていたのですが、どうやら迷い混んだらしく、そのまま村に滞在することになりました。彼はとても頭がよく、様々なアドバイスをしてくれました。しかし、ある日彼は豹変したのです」


ポトゾルは軽く咳をした。


「彼は不思議な力を使って、村の青年たちを合成し始めたのです。そしてあろうことか、その合成した人々で殺しあいを始めさせたのですぅ。何か洗脳されているようでした。しかし、思ったよりいい結果を得られなかったのか、しばらくすると合成した人々を一人を除いて皆殺しにしましたぁ。その除かれた一人に私の兄が混じっていました。その男はそいつだけは殺さなかったのですよぉ。もちろん。私の兄も操られているようでした。どうしてかは分かりません。唯一の満足がいく結果が出ていたのかもしれません。ただ、私はその男が許せない。私が様々なところの調査をしているのもその為なんですよぉ。ちょっとずつ情報を集めて、その男を殺したい。私の村を殆ど壊滅させたその男を」


そう言うとポトゾルは何も話さなくなった。なるほどポトゾルのことを理解できたし、暗い過去があるのも分かった。ただ……なんでこんな話を今するかなぁ。

何だか微妙な気持ちになりながらも、歩いていると盗賊団のアジトについた。そこではオームを含む兵士たちが待機していた。

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