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キミと

「ウチはユメ、よろしくね!ファン第一号さん!」


 ステージから降りて、目の前に立っている少女はにこにことしながら手を差し伸べてきた。


「あ、あたしは澪、よろしく…」


 手を握ると、先程まで踊っていたのにも関わらずユメの手はとてもひんやりとしていた。


「早速握手会も出来るだなんて…今日のウチ、めちゃくちゃツイてる!あ、チェキ撮る?特別に一枚無料で撮ったげるよ!」

「えっ、じゃあ一枚…って、そうじゃなくて…!一体何が起きたの?!ここら一体瓦礫まみれだし、誰かいないか探しても……アナタしか見当たらない…し…」

「─あ、れ?!──み─ぉ──大丈─…」


 話しているうちに、段々耳が聞こえなくなり目の前が何重にも重なって見え…数秒もしないうちに澪は意識を失った。


ーーー


「─…♪、〜〜♪」


 どこかから子守唄のような声が聞こえる。

 ふんわりとした感触に身を包まれている事に気が付き目を開けてみると…いかにも高級そうなベットの上に寝ていた。瓦礫の上にただポツンと置かれたベットを中心に、まるで活気を取り戻しているかのように草や花々が顔を覗かせていた。

 そしてベットの縁には、子守唄を歌うユメが腰掛けていた。


「あ、やっと起きた!も〜、心配したんだから〜!」

「…ここは……あたし、確か倒れたんじゃ…」

「もう大丈夫だよ!ウチが治してあげたから!」

「どういう…こと?それにこの布団は一体──」


 ベットから降り、少し傾いた太陽を背にするようにしてユメは言った。


「──ウチは異世界からこの世界を救いに来た救世主のアイドル!終焉(終わり)を迎えたこの世界をウチの歌で、魅力で虜にして…再生させるのがウチの役目!」


 ユメは笑顔で、手を差し伸べた。


「ウチと一緒に…世界を救おうよ!一目見てわかったよ…キミ、ウチと同じ瞳をしてる。アイドルが夢なんでしょ?だったらウチとユニット組んで、最高のアイドルになろう!」

「…そ、そんな急に言われても……意味わかんないよ……」


 澪は少しの間目を伏せ思考を巡らせた。

 …未だに理解が追いつかない。何故この世界は壊れてしまったのか、目の前の少女は何者なのか…。

 数分した後、顔を上げ言った。


「…仮加入…でいいなら……」

「やった〜!これからよろしくね、澪!」

「うん、よろしく…ユメ」


 叶えられるはずもない夢だけれど…何故か、二人なら奇跡を起こせる…そんな気がした。

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