プープ3
「すげえ……っすね」
想像を遥かに超えた強さにカズヤは、自然と敬語を使っていた。
「だろ、このレベルになるまで頑張ったんだぜ。それで、強さを聞いてどうした」
「実は訳あって、今危険な状態なんだ。その強さを見込んで頼がある、しばらくの間俺達を守ってくれないか」
頼みを聞いたウンコはカズヤに近づき、しばらく辺りを見渡した。
そして自分で炭にした大木をしばらく眺めた後、おそらく目の部分がある面をカズヤに向けた。
「――いいけど、達ってどういう事。お前1人じゃね」
「もう1人はすぐ近くの木陰で隠れてる。説明したら長いけど、そいつが今身動き取れない状況なんだよ」
カズヤは自分の片道を指差しながら説明した。
「なるほど、だから助け求めにきたんだな」
ウンコはカズヤが刺した方向を見つめ、そしてカズヤをもう一度見た。
「……なぁ、お前の頼み聞くかわりにさ、俺からも頼みあるんだけどいい?」
ウンコは緊張が現れた震える声で喋った。
カズヤはウンコの変化を感じとり、邪な想像が頭をよぎり同じく緊張した。
「……わかった、受け入れる。内容は後で聞くから、今はとりあえず仲間の元に戻らせてくれ」
様々な憶測が飛び交ったが後先のない状況、カズヤは断りようがなかった。
「え!? まだ喋ってないぞ、いいのか!?」
ウンコは驚きのあまり気持ち悪くて体をブルブルと震わせた。
「まだ死にたくねえからな、受けるしかねえ」
蠢くウンコを無視してカズヤは息を整えながら立ち上がり、ミカーヤの元へ帰る準備をした。
「――あっ。すまん、そんなつもりは」
互いの状況に気づいたウンコは、己のしでかした事を自覚して謝罪した。
無自覚だった事にカズヤは少し驚き、ウンコの邪念のなさと、少しの頭の悪さに微笑んだ。
(……見た目だけで、判断しちまってたな……。やってる事、あいつらと同じじゃねえか。気をつけねえとな)
カズヤが持ち合わせていなかった常識、それに気づかせてくれたウンコにカズヤは感謝した。
カズヤは日に二度も常識を、コミュ力を手に入れた。
「アンタ、良い人なんだな。最初は軽蔑して悪かった、願いはどっちにしろちゃんと聞くよ。アンタのする願いなら、悪いことはないだろ」
カズヤの言葉を聞いたウンコは突然、石のように固まって動かなくなった。
固まったウンコはカズヤに投げかけられた言葉をゆっくりと咀嚼した後、小刻みに体を震わせた。
「…………ありがとう。そんな事……初めてだよ。」
ウンコは先程とは違う理由で震える声で答えた、尊敬と感動の念でを込めて。
奇しくも互いに悲惨な人生を辿った2人は、初めて触れた純粋な人の優しさで、出会って間もないにも関わらず深い友情を感じた。




