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リゲイン・ロスト・タレント ―才能を奪われた天才たちの異世界再生バトル譚―  作者: 綜目月 梶才
ギルド資格取得編

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34/58

結果

 目を覚ますとカズヤは知らない部屋でベッドに転んでいた。


(んあ、どこここ。――医務室……?)


 カズヤが情報を得ようと周りを見渡すと、大量のベッドに伏せる受験者がいた。

 その中にはカズヤが戦ったあのリザードマンもいた。


(えっと、確か……。あの後試験官がきて――)


――「お前凄いな! 完全な格上相手だったのに、よく勝てた! その頭は確実に武器になる、この後も頑張れ」


 ハルハはよろけるカズヤの背中を叩きながら、賞賛をした。

 その後カズヤの目の前に回り込み、切り裂かれた喉元を確認し始めた。


「……傷はあるのに、出血もないし喋れてる。いいスキルだ……。原理はなんな――」


「――あの。そろそろスキル疲労で、限界になってきたんで治療頼みます……。気絶したら傷口開いて、死ぬんすよ」


カズヤは前後に揺れ虚な目をして懇願した。

 そして懇願してすぐ、カズヤは地面へと倒れ込んでいった――


(――だったよな……)


 カズヤは切り裂かれた喉と、自分で貫いた腹を弄った。


(すげえな、今回は完璧に塞がってる。さすが帝国)


 カズヤは完治した腹を摩りながら、ゆっくりとベッドから降りた。


(ふぅ。なんか俺、戦った後毎回これだな)


 カズヤが出入り口であろうドアに向かおうとした時、後ろから「おい」と呼びかけられた。

 なんのようかと後ろを振り返ると、そこには対戦相手が立っていた。


――まさか……お礼参り……?


 一抹の不安を持ちながら、恐る恐るリザードマンの元に近寄り見上げると、意外にもリザードマンは笑顔を見せた。


「お前すげえな、負けたよ。すまんな、チビザコとかいって。」


「……あぁ。あんたも、パワー凄かったよ」


カズヤも笑顔で返す。


「世辞はいい。あんたと戦ってわかった、パワーだけじゃどうにもならないってな。――引き止めて悪かったな、それだけだ」


 そういうとリザードマンは自分のベッドへと戻っていった。


(割といい人)


 カズヤは胸が温かくなり、微笑みながらドアを開け、医務室の外にでた。


「かずやーーーん!!!」


 医務室を出るなり、ドアの目の前でずっと座っていたアクタが抱きついてきた。


「なんすかぁ!」


カズヤは衝撃と驚愕に発狂。


思わずアクタを張り倒し、距離を取る。

 しかしアクタは一瞬で体勢を立て直しカズヤの背後に回り込み、傷口を触り始めた。


「ふんふん、治ってらっしゃる。さすが私」


「え、これアクタが治したの?」


 カズヤは振り向きながら自分の傷口を再度触り、アクタを見る。

 アクタは人差し指をクルクルと回しながら、自慢げな顔をしていた。


「私の力です」


「マジ、ありがとう」


カズヤは軽く会釈した。


「――あ、そういえばアクタ第一試験突破できた? 俺は行けたよ」


 カズヤは近くにある廊下備え付けの椅子に座りながら問いかける。


 アクタはそれに続いてカズヤの横に座ると、ピースサインを胸の前で振った。


「余裕! 私の相手なー、なんか変な人だった――」


――「君、すまないが僕は女性とは戦わない。手荒な真似はしたくないんだ、降参してくれ」


 おかっぱヘアーの男はそういうとアクタに向かって手を払い、棄権を促す。


「えー、じゃあ男だったら戦うの?」


「あぁ、そうだ」


「おっけー」


 男が答えると、突然アクタは自分の胸を鷲掴み、押し始めた。

 そしてみるみるうちにCカップはあった胸は、男のような絶壁へと変わってしまった。


 そして次にズボンの中に手を突っ込み、モゾモゾと蠢いた。


「……ん、よし! 男になったよー」


 そういうとアクタは服とズボンを捲り、男に見せつけた。

 アクタの行為に男は咄嗟に両手で目を覆い、顔を背ける。


「何をする!」


「えー? ちんこできたから、男だよって。ほら見て」


 アクタは一瞬で男の元に回り込み、ズボンの中を見せつけた。


「――なっ! ……ある」


男はアクタの下部に確かな陰部を発見。

あまりの衝撃に開いた口が塞がらなかった。


 そんな男の気も知らずアクタは鼻歌混じりに初期位置に戻り、ファイティングポーズをとった。


「男だよ、やろう!」


「ちょっと待って、君男だったの? さっきの胸は」


男の問いにアクタは首を傾げる。


「何言ってんの、いま変えたじゃん。アクタは女だよ」


「……そう……か」


 当たり前かのように話すアクタに男は混乱しつつも、自分をなんとか納得させ腰にかけた剣を引き抜いた。


「よし、いくよ」


アクタが笑顔で拳を握りしめる。

 その言葉に男はゆっくりと頷き、剣を握る両手に力を込めた。


「あぁ、こ――」


「ドーン!」


 男が返事をするや否や。アクタは一瞬で距離を詰め、握り拳を顔面に叩きつけた。


 殴られた男は顔面が陥没し、そのまま吹き飛んで島の外へと落ちていってしまった――


「てな感じ!」


(アクタナチュラルに化け物だな……)


 アクタの話にカズヤは引き攣った笑顔を浮かべ、頷く。

そして話の中で一つ違和感を覚えた。


「落としたらダメじゃね? 殺人で失格でしょ」


「そこは大丈夫! 落とした後、魔法使いの試験官が拾ってくれた。なんか、『場外も戦闘不能扱いだから、君の勝ちだ』だって」


「へー、よかったな」


 カズヤの言葉にアクタは笑顔を浮かべ、激しく頷いた。


「ちなみに、ウンコって見なかった? 仲間なんだ」


 カズヤはずっと気になっていた事を恐る恐る聞いた。

その言葉にアクタは顎に手を当て、考え始める。


 その考える時間がそのまま、カズヤの不安を大きくしていった。


「――あ! いたね。あれはやばかった」


「どうだった?」


カズヤは眉間をひそめ、小さくつぶやいた。


「槍使いの鎧着込んだ、髪の長い女の人が相手だったんだけどね」

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