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リゲイン・ロスト・タレント ―才能を奪われた天才たちの異世界再生バトル譚―  作者: 綜目月 梶才
ギルド資格取得編

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28/58

いざ、帝都へ!

場面は変わり村のはずれ。

 カズヤとウンコはその場で2人黄昏、ミカーヤの帰りを待っていた。

何故2人だけが待っているのかというと――


「お待たせしましたー」


 ミカーヤが馬車の御者台に乗って、2人の前に現れた。

――そう、馬車のレンタルの依頼をゲルニカへと頼みにいっていたのだ。


 カズヤは腹のトラウマから、ウンコは金を持てないことから、仕方なくミカーヤが向かったのである。


「こんちわー」

「いつもお世話になります」


 2人は軽口を叩きながら、馬車の荷台へと乗り込んだ。

 2人が荷台で座ったのを確認すると、ミカーヤは手綱を操り馬車を動かした。


――目的地はレンベルド一の大国、ヴァルテリア帝国。

3人は夢を胸に――今旅立つのだ。





「ねえ、ミカーヤさん」


 カズヤが荷台に積まれた食料を食べながら、ミカーヤを呼ぶ。


「はい、なんですか」


「さっき言ってた、ギルドって何なの?」


 カズヤの問いにミカーヤは収納魔法から一つ、蒼白の細長い結晶を取り出し荷台へと投げた。


 結晶は荷台の床にあたりカラカラと気持ちのいい軽い音を立てて、カズヤの前に滑り込む。

 カズヤはその結晶を拾い上げ、眼前に持ち上げると見えやすいように陽光に翳した。


「何これ」


「魔力注ぎ込んでみてください」


「魔力の使い方わかんない。――ウンコ」


「あい」


 カズヤは結晶をウンコへと差し出して、魔力を注ぎ込んでもらった。

魔力を注ぎ込んだ途端結晶は淡い蒼光を発しだす。


 その光を見た瞬間、カズヤの脳内に情報が流れ込んだ。


『ミカーヤ君。試験合格、そして加入おめでとう。ようこそ、ギルドへ』


「うわ、何これ」


 カズヤは驚きのあまり結晶を床に落としてしまった。


「そのまま聞いといてください、教えてくれるので」


 ミカーヤの言葉にカズヤは戸惑いながらも、ゆっくりと結晶を拾い上げ、続きを見た。


『――が今回の君の点数だ。惜しくも届かなかったという事で、君の階級はDだ。9段階中下から3番目だね』


 一度落としてしまったせいか、内容は続きからとなっている。


『さて、最後にギルドに付いて説明をしていこう。――ギルドというのは平たくいうと、戦闘何でも屋だ。知っての通りこの世界は戦争続きだ。それ故に兵隊は忙しく、市民や企業の要望を受け入れる暇があまり無い。それを打開すべくできたのが、我々ギルドというわけだ。ギルドは市民や企業からの依頼を受け、解決していく。そしてそれを経て、己を高めていきヴァルシェラの教えを敬虔する! 素晴らしい職業なのだ!』


 情報はそこで終わり、結晶は光を失いただの結晶へと戻った。


「わかりました?」


 光がなくなった事を確認したミカーヤは、後ろを振り向きながらカズヤに聞いた。


「うん。――はい、次ウンコ」


「あい」


 カズヤはウンコに結晶を渡した後、御者台の方へと寄っていった。


「ミカーヤギルド資格あったんだな」


「はい。父が存命の時帝国に行った事があって、その時とりました。ちなみに昨日言ってた仕事については、ギルドの事言ってたんです」


「へー。じゃあ、ギルドって結構稼げるんだな」


 カズヤの呟きにミカーヤは目だけ上を向き、カズヤの言葉の意図を考えた。


「家の事ですか?」


「うん、デカかったし」


 ミカーヤは前を向いたまま顔の前で手を振り、笑いながら応える。


「確かに最高ランクの人はそれぐらいいけますけど、私の場合は無理ですよ」


「じゃあ、あの家どうやったの」


「8割仕送りですね」


 ミカーヤの回答にカズヤは触れていいのか分からず、押し黙った。

 そしてミカーヤと同じよう前方を向き、移り行く景色を楽しんだ。





「――あ、きましたよ」


 走りはじめてから30分、ミカーヤが突然甲高い声を上げた。

 カズヤとウンコは声に驚き、荷台から顔を出して外を見た。


 しかしそこには何の変哲もないただの平原しかなく、2人は何に反応したのか分からないでいた。


「後、1分ほど走れば10キロ地点です」


 しかしミカーヤの言葉にすぐさま2人は反応して、顔を見合わせた。

 そして互いに笑みを浮かべ――ウンコは簡素な顔を作り――もう一度外を見た。


「600。500。400! 300!!」


 距離を語るミカーヤの声はだんだんと活気に満ち溢れ、彼女の高揚を2人に感じさせた。


そしてついに――


「ゼローー!!!!」


「おめでとー!!」


 ミカーヤの叫びに2人は同時に拍手をして祝福した。

ミカーヤは笑いながらも目に涙を浮かべる。


「やっと実感できました! 旅が始まるって――」

作品備考


等級はF〜SSS

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