生きる意味
(予言か……何か俺は運命を握ってんのかな)
カズヤは己の手を開閉する様を眺め、ゲルニカの意味深な言葉を思い返した。
この世界なら予言ができてもおかしくない、そしてガンラガンラ戦の自分の急激な成長。
不明瞭ながらも何か自分に偉大な使命がかかっている事を、断片的に感じ取った。
しかし――
(まっ、考えても仕方ねえか。俺は自分の人生を生きるのみ!)
カズヤの目的は滅びを阻止する救済者ではない、己の第二の人生をしっかりと堪能する事。
世界の命運など知ったこっちゃなかった。
(さて、楽しむ上で重要な事の整理だ! 旅行計画みたいでワクワクするな)
カズヤは昨日の転生1日目を通して、自分がした事や感じた事を全て思い返した。
(それにしても、昨日はほんと色々あったな……。ヤンキーに殺され、おっくん達に蘇らせてもらって。――ミカーヤとウンコとあって)
カズヤは2人を想い静かに微笑んだ。
そして2人との出会いを思い返し、ふと違和感を覚えた。
(出会って1日も経ってないのに、なんでこんな大事にしてんだろ……?)
カズヤは考えた。何故、時間にしては5時間過ごしたかどうかの相手に対し、ここまで深い友情があるのか。
確かに過去の自分に似ている、それにより親近感は芽生えたが、類似による親近感だけでは説明がつかないほど、想いが強かった。
(――あ、そうか分かった。似てるんじゃない、自分自身なんだ。何も悪くないのに迫害されていることも、外面だけで否定された事も、全部昔の俺と同じなんだ……)
カズヤは理不尽に奪われた己の幼少期を思い出し、大きく息を吐いた。
そして昨日の楽しく幸せそうな談笑をしていた2人を思い浮かべた。
(……分かった。俺、あいつらが幸せなの見ると嬉しいんだ。――なんか、過去の自分がやりたかった事を、似た状態のあいつらがやってくれる事で、過去の自分が救われる……みたいな)
そして深い自己分析を通じて、己の本当にやりたい事を導き出した。
(決めた! 目的は変わらず、幸せになる事! その為の目標はまず一つ目、世界最高の殺し合いをする。やっぱり、やりたい事の限界点が幸せの近道。)
カズヤは腹を撫で昨日の殺し合いを思い出し、恍惚の表情を浮かべた。
そして天井を見上げ、床を隔てた先にいるであろう2人へ視線を送った。
(そして二つ目、アイツらのやりたい事を叶えてやる。アイツらを助けてあげる事で、間接的に過去の俺も救われる……はず。――そしたら過去の憂いなくなって、本当の幸せを掴める気がする)




