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金盞花の咲く停留所  作者: 東雲 夢
7/16

6.遊具とは……

キンセンカの咲く停留所【河川敷の真実】

小学生の男の子が、川に落ち亡くなるニュースをみた。

夏になると、水の事故のニュースばかり見かける。


「あ、でも、この川の事故は、事件になってなかったかしら?エリート校でも、そんな事あるのねって思った気が…」

女性が言った。

大森さんに、

「龍輝君、お父さんは、病院辞めたんだよ」

と言われて

「え?なんでですか?」

龍輝君は、驚きの声をあげた



「龍輝君は、あの日何があったか、覚えてるか?」

大森さんが、優しく聞くと

龍輝君は、バスの乗客を、見渡して、小さく頷いた。

いつの間に起きたのか、楓ちゃんが、龍輝君の隣に座った。


「お兄ちゃんも、いたかった?」

そう言って、楓ちゃんは、龍輝君の太ももを、さわった。

龍輝君の、足には、たくさんの擦り傷があった

龍輝君は、涙ぐみながら、制服の上着を脱いだ、

白い腕が、あらわになり、無数の擦り傷が痛々しい。

さらに、シャツと下着を捲り、お腹と、後ろ向き背中を見せた。


全身に、擦り傷、どうしたら、こんな傷がつくのか、あまりの酷さに、怒りがわいてきた。

「ひどい…」

女子高生が呟く

おじいちゃんも、おばあちゃんも目を伏せ、涙ぐんでた

「誰にやられたんだ!!父親か!!! 」

真くんが、拳を握りしめて龍輝君に言う

龍輝君は、首を、横にふった。

「痛かっただろ!こんなの人間のすることじゃない」

真くんは、自分の事のように怒ってる


龍輝君は、ゆっくり、着衣を直した後、話してくれた


龍輝君は、塾に行くため、住宅から歩いて数分のところで、五年生や、四年生などの、6人グループと出くわした。

その中に、龍輝君と同級生の子がいて

「龍輝!」と呼ばれたけど、反応せず、逃げるように去ろうとした、普段から、嫌な子だったから。

兄が、いたんだ、そこに、

「おいおい、無視したら、ダメだよ」

と言って、僕の鞄を、奪い、公園の遊具の上で振り回した。

その、遊具は、木でできていて

木の階段をわたると、ロープの網があり、それを渡ると、滑り台に繋がる。

アスレチックみたいな、遊具だった。


ぼくは、ゆっくり木の階段を、渡り、ロープの網の上を這って進んだ、網の四角は、僕の足より大きかった、真ん中にきたころ、網のロープが、左右に、揺れて、落ちそうになる、

ロープの網を、両側から、数人で、動かしてた、

身体が何回も浮いて、左右に、上下に、ロープに、しがみついて、落ちないように、必死にロープに、腕や足を絡めて、

「やめて!」と言っても、止まらない

面白いのか、笑いながら

「魚みて~」

「もっとゆらせ~」

「おもしれー」

とか、ぼくは、死ぬんじゃないかと思った、怖かった。

10分だとしても、すごい長い時間だった。

ぼくは、大声で叫ぶように、泣いた


「おい、この鞄いらないのか?」

そう言うと、いじめっ子の兄が言った

揺らすのが、おさまったけど、僕の鞄をもって、河川敷に、みんなで向かう、ぼくは、ヨロヨロ追いかけた。

ぼくの鞄を投げあって遊んでた、

僕がやっとの思いで、たどり着くと、鞄をあけ、この本を川に投げた、

「今日は、ここまで~ 」

と、笑いながら去っていった。

ぼくは、この本を、拾いに、川に入ってしまった。




散歩してた、おばさんが

「子どもが、川に落ちた!!!」

と叫ぶ声がして

「ワンワン!!」「ゥーワンワン!!」

犬が鳴く声が大きくて


ぼくは、息できないのに、身体が痛くて、動かなくて。 たぶんそのまま。


龍輝君の話しに、怒りが、私も、拳を強く握ってた、手のひらに、爪が深く食い込み血が出てた。




~わたしの苦いエピソード~

遊具の嫌がらせは、私の実体験である。

全身の擦り傷に、母が声をあげて子どものように、泣いてた。わたしを抱きしめながら。

傷が全部消える前、風邪引いて、病院に行った時に、先生と看護婦が、息をのんだ。

息をのむとは、こういうことか、その瞬間は忘れない。

親の虐待を疑われて、世の中全体が弱いものいじめだと、悟った。

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