4.スカーフ
キンセンカの咲く停留所【家族】
「おばあちゃんは、楓ちゃんお母さんと違って、亡くなってるから、触れてもいいんだよ」
大森さんが、言う。
「ちゃんと話しておいで、おばあちゃんも話しがあるはず」
おじいちゃんも言う。
真くんは、不貞腐れてそっぽを向いてるが
「さっさと行けよ!時間かけるな」
ヘッドフォンしてる学生が、怒鳴った。
すごくハリのある、応援団みたいな声で、
乗客のほとんどが、肩が、ビクッ!ってしてた。
真くんは、しぶしぶ、立ち上がり、バスを降りた。
引き摺るような、足取りで、おばあちゃんの前に立つ。
おばあちゃんは、手にしてた、如雨露を、放り投げ、真くんに抱きついてる。
真くんの、顔を、両手で包み、両手を握り、抱き締める、何か話しかけて、真くんの顔をなんども見て
「ばあちゃん、待ってたね」
女子高生が言った。
「真実を知るべきなんだよ。悲しい事件だからね」
大森さんが、言った。
「スマホなんか、あるから、人間が壊れるんだよ」
おじいちゃんが言った
あっ! 孫に殴り殺された、おばあちゃんのニュース、見たことある。
壊れたスマホを新しく買い換えて貰えなくて、友達の前で恥をかいたから……
でも、犯人の孫は、警察から、逃げて捕まえられたとき、頭打ち、留置所で急性硬膜下出血でなくなった上に、真犯人は実は孫ではなく、息子だったというニュースは、さらっと流したあと、芸能人の不倫流出騒動ばかりやってた。
マスコミとは、世間がもっと知りたいと思うニュースは、だいたいネットの方が、詳しい報道してる。コレも時代なのだろうか。
真くんは、おばあちゃんに、なんども、なんども、頭を下げて、おばあちゃんの足下に崩れて泣いてた。
真くんは、おばあちゃんに、上着のポケットから、スカーフを、だして、首に巻いてあげた。
おばあちゃんは、笑顔で、ずっと巻いてもらったスカーフを撫でて、ゆっくり消えていった。
すごく優しい、オレンジの光が、包んでいた。
おばあちゃんが、消えた後、真くんは、キャップを被り、バスに戻ってきた。
「おばあちゃんと話せたか」
大森さんが言うと
「うん。大森さん、聞いてくれますか?」
と真くんは、言ってあの日のことを話した。
真くんは、おばあちゃんと買い物した帰り、そこで、同級生とすれ違う、そいつらは、親のいない真くんを、学校で虐めてた。
おばあちゃんに、先に帰るように行って、奴等のいる場所へ、真くんは殴られ、蹴らた。
ヨロヨロ、傷だらけの真くんは、家に帰って、心配する、おばあちゃんを、払い除けたその力が少し強くて、おばあちゃんは、よろめいて、倒れた。
真くんは、そのまま、自分のベッドで、倒れるように寝てしまった。
~わたしの苦いエピソード~
小学2年のとき、友達の家に行った、2つ上のお姉さんの友達もきてて、先に帰った私が、その子の自転車を倒し、傷つけたと言われた。
仕事から、帰って来た母に言い、すぐその子の家に行った時に
「こんなの、前からついてたじゃない。きちんと確認もしないで、適当な言葉で、人を傷つけるもんじゃないよ!」
と、その子のお母さんが、その子を叱った。
「うその言葉で傷つけてごめんね」と謝ってくれたその子の母親に救われた。と母が言ってた。
何もしてなくても、標的にされることがある。