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金盞花の咲く停留所  作者: 東雲 夢
3/16

2幽霊バス

キンセンカの咲く停留所【幼稚園前】の真実

「楓ちゃんのお母さんは、頑張ったよね」

本を読んた女性が、言った。

「そうだな。ここの幼稚園は、過去に3人も同じことしてたのに、隠して、誤魔化してきてたからな」

うとうとしてた、おじいちゃんが言った。


楓ちゃんは、運動会の予行練習で、熱中症被害者として、ニュースで取り上げられてた。


【小松原 楓ちゃん事件】 ネットには、面白おかしく、自己満足で、動画あげてる人がたくさんいた。

顔隠して、言いたい放題、承認要求のかたまりだらけの世界は、どこまでも家族を苦しめた。



「楓ちゃん、あの日どうしたの?」

女子高生がきいた

楓ちゃんは

「かえでは、うんどうかいの、おおたまを、

せんせいと、いっしょに、かたづけたの、でも。

すんごく、おなかが、いたくなって、ちもでて……ねちゃった……おきたら、まどがあかなかった」

と言った。


「えーじゃ、楓ちゃんは、だれかにわざと閉じ込められたのね」

女子高生の、大きな声は、ヘッドフォンしてた学生にも、聞こえたようで、楓ちゃんを見てた。


「つらい記憶を、思い出しても…」

そう言ったのは、半ズボンの裾をギュッーと握ってた小学生だった。

みな、その言葉に頷き。席に座った。



「かえでのおうちの、ねこ、ルル しんだの

かえでも、しんだんだね………しにたくなかったな……あした、かえでのたんじょうびだったの、ママのケーキおいしいんだよ」

そう言うと、楓ちゃんは、おばあちゃんに寄りかかった。


しばらくして、楓ちゃんは、うとうと眠りについた。

おばあちゃんに、呼ばれて、楓ちゃんを一番後ろの席に、寝せてあげてと言われて



楓ちゃんを、抱えて、長椅子に寝せた。


ビックリするほど、楓ちゃんは、冷たく。

閉じた瞼から、涙がこぼれてた。

涙を吹いてあげると同時に


怖かっただろう、暗かっただろう、叫んでも、泣いても、届かない声。どれほど辛かったんだろう。

こんなに小さいのに………隠された、衝撃、痛かったよね。


楓ちゃんを思うと、涙がこぼれ落ち、同時に紙で手を切ってしまった時の痛み、スッーと切れた痛みと感覚が、全身をゾワゾワ襲って、身震いしてきた。



楓ちゃんの髪の毛は、さらさらして、寝顔は、天使だった。



「いってらっしゃい」と送り出した最愛の娘が、変わり果てた姿で帰ってきたら。

お母さんずっと苦しむよね、この幼稚園に、入れなければと、今も自分を責めてる。

私の母みたいに。



バスは、静かに、走り出す、いつも見る町の景色のようで、どこか、違う景色に見えた。




バスが揺れて楓ちゃんの鞄がおちた、弾みで一枚の絵が出てきた。


おおきくなったら、おいしゃさんになりたい

白衣きてるおんなのこの絵。


が見えたけど、拾った小学生は、ぐしゃぐしゃにその絵を握りつぶした。



そうか、これは、うわさの幽霊バスなのか、

私は、幽霊になったのか、死んだってこと?

どうやって?いつ?

少し頭が痛くなってきた。






~わたしの 苦いエピソード~

小学4年の頃、夏休みのプールで、忘れ物取りに更衣室に入ると、1人だったこともあり、5年生の女子2人が入り口を押さえつけて、ドアが開かないようにして、閉じ込められたことがある。


その時の、絶望感は、暑い日がくると、嫌でも思い出す。子どもの笑い声も悪意を含むと恐ろしい声になる。

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