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俺は、朝ご飯の代わりに屋台で買い込んだ。昨日、アーサーと一緒に、どうこが美味しいかリサーチ済みなのが助かった。

「うん。美味い!」

 俺は大量の屋台の品を抱え、食べながら歩く。

「そういえば、昨日はアーサーと二人で出かけたけど、なにかあった?」

「うん。美味しい屋台を見つけた」

 さすがにプロポーズされたのは黙っていよう。

「それだけ?」

「うん」

「なんだ。プロポーズでもされたかとお思ったわ」

「へ? なんで?」

 なになになにごと? なんで?

「だいたい、アナトはアーサーがお気に入りなんじゃないの?」

「まあね。でも、住む世界が違うから」

 あっ、そうか……。今、こうして一緒にいるけど、いつかは帰っちゃうんだ……。

「アナトは、アーサーにプロポーズされたら、どうする?」

「えー、そうしたら、ここに住んでもいいかな?」

 なんだ。そんなに住む世界が違うって意味ないじゃん。

「そっか……。プロポーズされるといいね」

 アナトは、一人でなんか言ってる。放っておこう。そのまま、食べながら歩く。うん。食べながらだと少し歩けるなぁ。

「少しいいですか?」

「なに? アーサー」

「税金について、少し話を伺えればと思うのですが……」

「いいよ」

 食べながらとはいえ、ただ歩いているだけだからなぁ。姫だし……。と思っていた時期もありました……。もう、長いよ……。アーサーどんだっけ国政に興味があるの? 俺、知っていることを何度も何度も言ったよ? でも、終わらない……。まぁ、ただ歩いているだけだから、まぁ、いいか……。

 なんとか植わった……。長かった……。

「助かりました。ありがとうございます」

 アーサーが頭を下げる。本当にもう、長かったよ……。これは、傍にいて欲しいの分かるわ……。税金のことだけじゃないもん……。社会情勢とか、社会インフラとか……。もう、色々と……。まぁ、付き合うか……約束したし……。

「いいよ。また分かんないことがあったら聞いて」

「ありがとうございます」

 それにしても、やっぱり民のこと考えているのか……。俺と偽りでも結婚って言うのも分かるな……。

「ねぇ。そろそろ休まない?」

 もう結構歩いたし、休んでもいいよね?

「えー、もう?」

「うん」

 アナトが溜め息を吐く。

「仕方ないわね。もう少し行ったら村があるから、そこで休みましょう……」

「わーい! やったー」

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