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 愚痴? を聞きたくなくて、俺はアーサーの手を取りその場から逃げ出すように飛び出した。

「あーもう。アナトはうるさい!」

「そういうことは、言わない方がいいですよ」

 アーサーは真面目だ。

「分かったよ」

 まぁ、確かにちょっとだけ言い過ぎたかも? うん、気をつけよう。

「アーサーって、真面目だよね」

「そうですか?」

「うん」

 アーサーが何かを考え込む。

「確かに真面目すぎると言われたことはありますが……」

「ほらね!」

「では、そういうことに知ておきましょう」

「ふーん。アーサーは、自分のこと真面目だと思っていないの?」

 アーサーがまた考える。

「多少は真面目だと思っていますが、そこまで真面目だとは思っていないです」

「そっか……。俺なんて、不真面目だから、多少でも真面目なのは羨ましい……」

 うん。少しはアーサーを見習わないと……。

「ところで、ここの名物って、どこへ行けば食べられるのかな?」

「たぶん、街中ではないでしょうか?」

「よし! じゃあ行こう!」

 俺たちは、このとき気が付かなかったんだ。なんか周りの視線を浴びていることに……。

「うわっ、美味しそう!」

「そうですね」

「アーサーなに食べる?」

 俺たちは屋台を見て回る。

「迷いますね……」

「じゃあ、片っ端から食べてみよう!」

「そうですね!」

 とりあえず、目の前の屋台で注文をした。

「はいよ。お兄ちゃんたちお似合いだね、美男美女カップルだ」

「へ?」

「だって、ずっと手を繋いでるだろ?」

「あっ」

 俺はアーサーと繋いだ手を見た。どうしよう。ここで離すとなんだか意識してるみたおだし……。アーサーは特に気にしている風でもないし……。

「ありがとう」

 食べ物を受けとり、礼を言う。手は繋いだままだ。

「美味しいですね」

「うん……」

「結婚しませんか?」

「うん……」

 って、え? 今なんて言った?

「今……なんて言った?」

「結婚しませんか? と言いました」

「いや、冗談だろ?」

「冗談ではありません」

「いや、いや、いや……」

 冗談、そうだよな? そうだと言ってくれ!

「だって、俺、見た目は美少女だけど、中身は男だよ?」

「はい。知っています」

「なら、なんで?」

「優馬のお兄さんだからです」

「はぁ?」

 分かんない。訳分かんないよ……。

「兄だって知っているならなんで?」

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