表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

91/147

十六

「野獣……野獣がいるぞ……」

 んっ? あ、否定しなきゃ!

「みんな! 彼は違うんだ! その辺で暴れている野獣と違う!」

「でも……」

 段々と人が集まってきて、クロは危ない感じに?

「本当に! 本当に違うんだ!」

 集まった人々のおかげで、収集がつかなくなる。どうしたらいいんだろう……。悩んでいると一人の人影が現れた。

「皆、まずは話を聞こうじゃないか」

 さすが、王様!

「その獣は、野獣とは違う……。そう言っている」

「うん。違うんだ」

「話を聞こう」

 王様……ありがとう。

 俺は説明をする。人の言葉が分かること。そして、人の言葉を話すこと。ただし、話す言葉に関しては、俺とルキアスしか分からないことなどを話した。俺が話している間、一言も口を挟まないで、王様は聞いてくれた。周りはざわついている。

「それでは、今回のことは?」

 やっと王様が口を開く。

「うーん……」

『おそらく、私がやった』

「えっ? そうなの?」

『転生前は、やたらと動物に好かれていた気がする』

「思い出した?」

『いや。なんとなくだが、そんな気がする』

「そっか……」

 うーんでも、原因です! って言うわけにいかないしなぁ……。どうしようか?

「今回のことは、このイロンに助けてもらったんだ! ピカッって光ったと思ったら、みんな大人しくなった。俺! じゃない、私のことも助けてくれた!」

「そうか……」

 王様、納得した? 納得してない?

「お父様、ソーマのことを助けてくれたみたいだし、もういいじゃないですか」

 ナイス! エルン!

「うん! そう! 助けてくれた!」

 俺は必死で説明をする。なんとか分かって欲しい。

「そうだな……」

 やったー? 王様が分かってくれた?

「うん! 王様、このイロンは良いイロン!」

「そのようだな」

 王様の言葉のせいか、周りの意見も変わってくる。

「王様が認めたぞ……」

「野獣とは違うのか?」

 さまざまな意見が飛び交う中、少しずつ良い意見も見受けられる。

「さて、残りは明日にでも聞こうかの」

 王様がそう言うと立ち去った。続いて他の人々が立ち去る。すべての人が立ち去って、俺達と、エルンだけになった。

「クロ、こんな感じで良いか?」

『私には、これが良いのか分からない』

「そっか……。でも、まぁ、なんとかなったわ……」

『そのようだな』

 クロも納得したような感じだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ