十一
「そうですね……」
「まるで、誰かに操られているような……?」
俺の意見に、アーサーが頷く。
「そんなに変だったの?」
「うん……」
俺の返事にルキウスが何かを考える。
「普通、野獣は知恵を持たないって言われている」
「はい」
アーサーもルキウスの意見に賛成だ。
「なのに、統率が取れていたの?」
「そうなんだ」
「うーん……。分かんないな……」
ルキウスが考え込む。
「考えていても仕方がないですし、私は皆さんを手伝ってきます」
「うん」
アーサーがその場から去っていく。俺たちも手伝った方がいいかな……? ちらっとアナトたちを見るとそのままくつろいでいる。まぁ、女神様だもんな……。よし、俺も手伝おう。
「俺も手伝って来る」
「あ、私も!」
二人揃ってアーサーの元に駆け出した。
「ふぅ……」
なんとか手伝いが終わった……。城の外を眺める。この暗闇の中、たくさんの野獣がいるんだよな……。俺は溜め息を付いた。それにしても、一体どうしたんだろう? 普段はおとなしい? らしい野獣がこんなになるなんて……。どんなに考えても分かんない。しかも、統率が取れている。
「あーぁ……」
まぁ、いいか……今日はもう考えるのを止めよう。疲れて眠い……。もう、寝よう……。俺は、もそもそと布団に潜り込む。三秒もしないで眠りについた。
ここはどこだ? あぁ、大学だ。友達もいる。俺、笑っている。このときはまだ、ニートじゃなかったな……。あれ? 誰だろう? なんか犬とか猫が? あぁ、そうだ。実験だ。誰がしてるんだろう? 気になる……。気になるけど分からない。また暗くなる。
ハッと目が覚める。なんか行けを見ていたような……。どんな夢だったっけ? しばらく考えて見るが分からない。まぁ、分からないものは仕方が無い。俺は軽く伸びをした。
「おはよう!」
ルキウス早いな……。みんなまだ寝てるぞ。
「おはよう!」
「なんかすごく良く寝てたね」
「そう?」
「うん」
まぁ、寝てる間のことは分かんないから俺にはなんとも……。
「あ、そういえば……。夢を見ていたような……」
俺はもう一度、考える。なんか、犬や猫がたくさん集まっていたような……。違ったかな? うーん……。
「どんな夢?」
「犬や猫がたくさん集まっていたような……」
夢だから、今の状況には関係ないんだけど、なぜか気になる……。
「まぁ、夢だし気にしない!」
「そう?」




