十
俺は厨二病な技名を叫んでいるイシュタムに言葉をかけら。うん、これでイシュタムは良し! アナトは……アーサーに任せた。アナトは乙女モードになってアーサーにまとわり付いている。
野獣はいなくなったし、とりあえずお城? に戻るか……。それにしても、原因ってなんだろう? ずっとそんなことを考えながら歩く。
「ねぇ。アーサー」
「はい」
「原因ってなんだと思う?」
「分かりません・ですが統率が取れているような感じがします」
「アーサーもそう思う?」
「はい」
歩いているうちにお城? だかにたどり着いた。
「ねぇねぇ。アナト。魔王が現れたとかじゃないの?」
「えー。分かんないわよ」
「そっか……。分かんないか……」
異世界転生の醍醐味なのになぁ。今のところ、魔王は無しだもんなぁ。
「おかえり」
ルキウスが帰宅を歓迎した。
「うん。ただいま」
あれっ? ユーリちゃんが居ないなぁ。と思ったら、エルフの子供たちと遊んでるわ。いいなぁ。子供たちはすぐに仲良くなれて……。それにしても、かなり人数が増えている。最初に来たときよりも増えている。あんなに大人が居たなんて……。
「あ、ありがとう」
エルンが小走りで近寄ってきて、礼を言う。
「ううん」
「お父様は、今、忙しいから……」
そう言うエルンの視線を追うと、大人のエルフに何か指示を出している王様の姿が目に入った。
「大丈夫だよ」
まぁ、王様も大変だと思う……。色々と混乱しているし……。
「そういや、エルンって王女様?」
「はい。一応は……」
「そっか……」
性別が確定した。まぁ、どっちでもいいんだけどね。きれいだから!
「名前は、エルフィーナですが、みなエルンと呼んでいます」
「あ、そうなの?」
どうりで、王様が違う名前を呼んだと思ったら……。
「はい」
そうこうしているうちに、王様がやって来る。
「南の地区に発生した野獣を退治してくれたとか、本当にありがとう」
「いえ。俺だけじゃなく、アーサーや、アナト、イシュタムのおかげです」
「おぉ、みな、ありがとう」
「いえ。これも皆で力を合わせたからです」
さすがアーサー良いこと言うなぁ。
「それでは、私はやることがたくさんあるので、一先ずこれで失礼するよ」
「はい」
そう言い残し、王様は立ち去った。やっぱり、王様って忙しいのかな?
「それでさぁ。あの野獣たち、なにか変だったよな?」




