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「いえ……それが……我々にも分からず……」

「そっか……分かんないのか……」

 見た感じ、あらゆる野獣が居るようだった。大きいのも、小さいのもいた。

「アナト、原因わかる?」

「うーん……。ちょっと分かんないわね……」

「そっか……」

 俺はアーサーを見る。何も分からないようだ。イシュタムは論外。

「もしかしたら、繁殖期と違う?」

「繁殖期?」

 俺の言葉にルキウスが頷いて答える。

「そうなんですか?」

「それなら、分かるはずだが……」

 王様がそう答える。うーん……なんだろう?原因を考えていると、一人の若い? エルフ」がやって来た。

「王様! 南の地区が!」

「えっ?」

 王様と原因について考えていると、そんな言葉が耳に入る。

「南の地区だな。分かった」

 王様が返事をすると、ちらっとこちらを見ながら若い? エルフが立ち去った。エルフって年が分かんない!

「王様。南の地区は避難終了です」

 とか思っていたら、年取ったエルフが現れる。

「そうか。ご苦労……」

「南の地区へ行きます!」

 アーサーが、急いで飛び出す。

「俺も!」

 慌てて後を追うように、俺も飛び出す。


 アーサーがクマのような野獣に立ち向かう。俺もオオカミ? のような野獣に向かう。アナトは今回は真面目に働いている。イシュタムは……うん。どうでもいいや。また、なんか厨二な技名を唱えている……。

 俺は火を放ち、アーサーは剣で相手を切っている。アナトは何をしているのか分からない。また、蒼真の世界では解明されていないから。とか言うんだろうな……。気を取り直して大量の水を出した。多くの野獣が窒息死する。

「これ……殺さない方法ってないのかな?」

 思わず、口にする。原因も分からないのに、皆殺しなんてないよ……。なんだか、野獣がかわいそうになってきた。

「魔法でどうにかならないんですか?」

 魔法ったって、そんなに便利なもんじゃない。ただ化学式を変換しているだけだし……。

「無理……」

 アーサーにそう答えながら、風を打つ。

「あら方片付いたかな?」

「そうね」

「アナト、今回は働いてたじゃない」

「私だってたまにはね」

 アナトが胸を張って答えた。相変わらず胸は無いけど……。

「私も~働いたよ~」

「うん。イシュタムのお陰で助かった」

 なんか段々イシュタムの使い方が分かって来た。

「次は~新しい技をみせるね~」

「うん。期待してるよ」


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