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エルフの里に入るまでに、何匹倒したか……。えーっと……10匹? 20匹? もう分かんないや……。これ、100匹じゃないよ……。絶対……。

「つ……疲れた……」

「本当にね……」

 とか言いつつ、アナトは最初、アーサーにベッタリくっついていたじゃないか! きゃぁ、怖い……とかなんとか言いながら! イシュタムは嬉しそうに技名を言いながら、鎌で相手を殴るし……。もう、まともだったのって、アーサーぐらいだ……。さすが騎士!

「ここ、安全?」

 木で出来た宮殿? のような場所に居る。

「のはずですが……」

 エルンが答える。

「誰も居ないけど?」

「はい……」

 エルンが周りを見る。

「お父様?」

 そして、身内を探し始めた。

「お父様! どこですか?」

必死に探していると、物陰から人影が現れた。

「お父様!」

 エルンが嬉しそうに駆け寄っていく。人影は若いエルフだった。

「お父様! お父様!」

 エルンは突然現れたエルフに抱きついた。

「エルフェリーナ」

 エルフェリーナ? 名前だよな?

「無事だったか……」

「はい」

 エルンの顔を見る父親? でいいのかな? エルフは年が分からないや……。

「この者たちは?」

 お、俺たちのことに気がついたみたいだ。

「こちらは、私たちを助けてくれる方々です」

「なんと!」

「私は、この国で困っている人がいると聞いて、いても立ってもおられず、ここまで来てしまいました」

 アーサーがここに来た理由を言う。

「そうですか……」

 エルンの父親が何かを感がえる。

「しかし……我々は、どことも取引は……」

「それは関係ありません。困っている人を助けたいだけです」

 アーサーが反論をした、イケメン! かっこいいぞ!

「しかし……」

「お父様! 助けて貰いましょう?」

「だが……」

「もー! 来ちゃったもんはしょうがないだろ!」

「蒼真! 言葉!」

 あ、いけね。俺、今美少女だった……。アナトありがとう……。

「えーしょうがないと思いませんか?」 

 言い直してみたけど、もう遅い?

「……分かった……」

 俺たちは、安堵の溜め息を吐く。

「改めて、我が国の危機に寄り添ってくれてありがとうございます」

 エルンえお父親は頭を下げる。

「私は、この国の王、アレクサンドロスと申します」

「え? 王様!?」

 マジマジ? 王様!? エルフの王様?

「我々には、弓で抵抗するしかないため、どんどん状況が悪化しています」

「なにか、野獣がこんなに溢れている原因は、ご存知では?」

 あ、やべー……今は、原因だ……・ありがとうアーサー!

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