八
エルフの里に入るまでに、何匹倒したか……。えーっと……10匹? 20匹? もう分かんないや……。これ、100匹じゃないよ……。絶対……。
「つ……疲れた……」
「本当にね……」
とか言いつつ、アナトは最初、アーサーにベッタリくっついていたじゃないか! きゃぁ、怖い……とかなんとか言いながら! イシュタムは嬉しそうに技名を言いながら、鎌で相手を殴るし……。もう、まともだったのって、アーサーぐらいだ……。さすが騎士!
「ここ、安全?」
木で出来た宮殿? のような場所に居る。
「のはずですが……」
エルンが答える。
「誰も居ないけど?」
「はい……」
エルンが周りを見る。
「お父様?」
そして、身内を探し始めた。
「お父様! どこですか?」
必死に探していると、物陰から人影が現れた。
「お父様!」
エルンが嬉しそうに駆け寄っていく。人影は若いエルフだった。
「お父様! お父様!」
エルンは突然現れたエルフに抱きついた。
「エルフェリーナ」
エルフェリーナ? 名前だよな?
「無事だったか……」
「はい」
エルンの顔を見る父親? でいいのかな? エルフは年が分からないや……。
「この者たちは?」
お、俺たちのことに気がついたみたいだ。
「こちらは、私たちを助けてくれる方々です」
「なんと!」
「私は、この国で困っている人がいると聞いて、いても立ってもおられず、ここまで来てしまいました」
アーサーがここに来た理由を言う。
「そうですか……」
エルンの父親が何かを感がえる。
「しかし……我々は、どことも取引は……」
「それは関係ありません。困っている人を助けたいだけです」
アーサーが反論をした、イケメン! かっこいいぞ!
「しかし……」
「お父様! 助けて貰いましょう?」
「だが……」
「もー! 来ちゃったもんはしょうがないだろ!」
「蒼真! 言葉!」
あ、いけね。俺、今美少女だった……。アナトありがとう……。
「えーしょうがないと思いませんか?」
言い直してみたけど、もう遅い?
「……分かった……」
俺たちは、安堵の溜め息を吐く。
「改めて、我が国の危機に寄り添ってくれてありがとうございます」
エルンえお父親は頭を下げる。
「私は、この国の王、アレクサンドロスと申します」
「え? 王様!?」
マジマジ? 王様!? エルフの王様?
「我々には、弓で抵抗するしかないため、どんどん状況が悪化しています」
「なにか、野獣がこんなに溢れている原因は、ご存知では?」
あ、やべー……今は、原因だ……・ありがとうアーサー!




