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「なので、私一人で助けに行きます」

「えっ?」

「自分から付いて行くと言ったのに、申し訳ありません」

 アーサーが、突然、我々から離れると言い出した。

「ちょっとアーサー!」

 申し訳ない顔をしながらアーサーが言う。

「困っている人を見捨てられません。私一人でも、なにかの役にたてればと思います」

 真面目だな……アーサー……。アーサーが頭を下げている。どうにかならないかなぁ……。そうだ! 俺も、なにかの役にたつかもしれない。

「ね、アナト! 俺たちもついて行っちゃダメ?」

 アナトが何かを考える。

「何を!」

「んーどうせ、10年はかかるはずだし、旅の扉のようなもので短くなっているし、数日ぐらい良いわよ」

「やった!」

「ですが危険です!」

「えー、俺たち女神と転生して無敵? になった者たちだよ?」

 アーサーがあっという顔をする。

「ということで、エルフのところへ行くのは決定!」

 アーサーは頭を下げる。

「ありがとうございます!」

 エルフも頭を下げる。うんうん。可愛いなぁ。

「あ、私は役にたたないよ?」

 ルキウスが言う。

「えー! 物凄い癒やしだよ? ユーリちゃんと一緒に?」

「それなら良かった……」

「うん。一緒に行こう」

 ルキウス色々と考えてるんだな。役にたたないなんてこと無いのになぁ。

「んじゃ。エルフ……さん? の体調が戻り次第、出発!」

「あ、名前はエルンです」

「エルン? 分かった」

 エルフの名前が分かったし出発! 性別が分からないけど……聞いたら失礼かな……。まぁ、親しくなったら分かるよね?

「あの……私は大丈夫ですので、今すぐに里へ向かいたいのですが……」

「本当に大丈夫?」

「はい」

 しばらく考える。急ぎたい気持ちも分かるし……行っちゃう? 様子は移動中でも確認できるし……。

「じゃあ、行っちゃう?」

「はい!」

 エルンの返事に出発を試みる。

「本当にありがとうございます」

 改めてアーサーが頭を下げる。

「いいって! 困っているときにはお互い様!」

「はい」

 アーサーは少しホッとしたような顔をした。アナトは変わらず乙女モード……。うーんイシュタムは分かんないや。

「よし! そうと決まれば出発だ!」

 俺は出発の宣言をする。

「あ、アーサーは、エルンのこと見てて! まだ本調子じゃないと思うから!」

「分かりました」

「あの、私は大丈夫です。一刻も早く里へ!」

「うん。分かってる。念のためにアーサーに頼んだだめだから」

 そうこうしているうちに、出発することになる。野獣100匹ってどれぐらいなんだろう? アナトたちは大丈夫として、俺、ルキウスとユーリちゃんを守れるんだろうか? 不安だらけだけど、とにかく急ごう。


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