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「あ、ごめん」

 俺は、謝罪と共に横へどいた。フードを家具ったエルフは、そのまま通り過ぎようとしている。

「あっ、待って!」

 ビクッと反応しながら、エルフが止まる。

「君、なんでここにいるの?」

 アーサーが言うには、ものすごく少数民族で、交流を絶っているらしい。

「……」

「あっ、言いたく無ければ良いんだけど……。なんでかな? って……」

「……」

 すぐに、踵を踏み出し、俺たちの前から消えた。

「あぁ……。エルフ……」

 Pレは、立ち去ってしまったエルフに向かって手を伸ばす。

「まぁ、しょうがない……」

 ルキウスも同じように、残念そうだ。

「それにしても、エルフが居るなんて、どうしたんでしょう?」

 アーサーが不思議そうにそう言った。

「そういえば、めったに会えないって言ってたね」

 俺の疑問にアーサーが頷く。

「そうなんです。一般的にその辺を出歩くことなんて無いはずなんですが……」

「うーん……。なんでなんだろう……」

 しばらく考えたけど、分からないから仕方が無く歩き出す。

「それにしても、エルフってやっぱり耳が尖ってるんだ……」

「いいな……。ちゃんと見られて……。私なんて、ちょっとしか見られ無かった……」

「また、会えるといいんだけど……」

 まぁ、無理かな。王子様でも、数回しか会ったこと無いって言うし……。あぁ、エルフ……。エルフエルフ煩い俺を無視するかのように、アナトが歩みをすすめていく。そんな俺たちの前に、追い出されるように建物から出される人物がいた。その人物は、建物から出されると転んでしまった。

「あっ!」

 俺は思わず走り出す。あのときのエルフだ! 

「大丈夫?」

 俺は、慌ててエルフを助け起こす。

「はい。大丈夫です」

 起き上がるとエルフは服に付いたホコリを払う。

「ここで、何をしていたんですか?」

「……」

 アーサーが訪ねてもだんまりを決めている。

「この騎士団に用があるなら、私が取次ましょうか?」

 フードを被っていても分かる。ものすごく驚いた顔をしている。

「本当ですか?」

 エルフはくってかかるようにアーサーに問いかける。

「えぇ」

 エルフは泣きそうな顔? をしている。フードを深く被っているから分からないけど、そんな感じだ。

「……良かった……」

 そう言うとエルフは倒れれしまう。アーサーがそれを支える。羨ましいぞ! イケメン! とりあえず、どうしようも無いので、アーサーおすすめの宿屋へ行くことにした。

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