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「あぁ、そういえば、超イケメンの身体が空いてたわね……」

「え? じゃあ、そっちで!」

 まだ、なんとなく夢とかそんな感じがする。現実感がないというのか……。というよりも、夢にしたい俺がいると言った方がいいのか……。

「半漁人だけど、そっちがいい?」

「半漁人?」

「身体が魚で、人間の手足がそれに付いている感じね」

「……」

「とってもぴちぴちしてるわよ」

「え? じゃあ、こっちでいいです」

「っていうか、なんか人ごと? 普通なら、自分が死んだとか聞いたらもっと落ち込んだり、信じられない! って騒いだり、泣き崩れたりするんじゃないの?」

「あーうん……。ごめん、まだなんか現実感がないっていうか……。なんだか、アニメを見てるとかラノベを読んでいるとか、そんな感じなんだ」

「まぁ、いきなり死んだって言われても、この状況じゃ確かにね……」

 それもあるけど、俺、これからどうすればいいのか分かんないってのもある。これがアニメやラノベなら、なんか魔王を倒しに行くとか、とりあえず冒険とかあるんだろうけど……。俺の今の状況って、応急処置? そんな感じなんだろう?

「とりあえず、今日のところは帰るわ」

「え? 帰る? 俺、どうすれば?」

「普通に過ごしてればいいんじゃない?」

「普通って言われても……。俺、この子のこと何も知らないし……」

 未だに現実感もないし、このままじゃどうしていいんだか……。

「明日、また来るわ」

「……」

「そろそろ、限界だしね」

「限界?」

「そう。この部屋だけ、別の次元の扱いになってるのよ。あなたと話すのを邪魔されないようにしたかったし……。それに、場合によっては色々と……ね?」

 ね? って何? なんか嫌な感じがするのは気のせいだろうか?

「ということで、今日はもう限界だから明日ね」

 なんだろう? なんかの魔法を使っていて、それのタイムリミットってことなのか? 

「明日、また来るから詳しい話はそのときね」

「待って!」

「何?」

「これって、本当に夢じゃないのか? ここってどこだ? 俺はどうなったんだ?」

 アナトが、ふぅっと溜息を吐いた。

「自分の状況を少しは理解してきたってところ?」

「理解するもなにも、何の説明も無かったんだが? これで、どうやって理解しろと? 夢だと思うのが一番無難だろ?」

「だから、そういうのも全部、明日ね」

 アナトがそう言い終わると、凄い勢いでドアが開いた。

「ミーナ! お父さんたち心配して帰ってきてくれたよ!」


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