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ふとすれ違った人に目が行く。あれ? 今の人……。ネコだ!

「ねえ! ネコがいるよ!」

 俺は興奮してアナトに話かける。

「うん? ネコ?」

「ほら! あそこ!」

「あら本当」

 二人してネコの人を見送る。

「獣人ですね。ものすごく数が少ないんですよ」

「そうなの?」

 アーサーに俺は尋ねる。

「この国は。殆どが人間。あとは極わずかの獣人やエルフなどで構成されています」

「エルフ!」

 マジか? マジでエルフがいるの? 異世界に転生して来て良かった……。

「ただ、エルフは数も少ない上に、他の者との交流を嫌うので、なかなか出会えませんが……」

「そうなのか……」

 会ってみたいな……エルフ……。俺はアナトを見る。アナトは興味なさげにしていた。

「どうやったらエルフに会えるんだろうか?」

「無理ですよ。私も数回しか会ったことが無いので……」

 うーん……。王子様が数回……。絶望的じゃないか……。

「そっか……」

 今まで、会えなかったのが悔しい……。

「帝都のような大きい街では謙虚ですね。どうしても、人が多くなってしまいますから」

 うっ、心を読んだ? アーサーがピッタリの言葉を投げかけてくる。

「まぁ……。会えないなら仕方がないや……」

「でも、わかるよ。会いたいよね? エルフ」

「うんうん」

 ルキウスもエルフに会いたいんだ。

「エルフが居るなんて知らなかったし……」

「そうなの?」

「うん。そう」

「まぁ、少数民族ですし、知らない人の方が多いかもしれません」

 アーサーがフォローを入れてくれる。

「ふーんそうなんだ」

 俺がアーサーに返事をしながら歩いていると、突然、フードを被った人物とぶつかる。

「あ、ごめんなさい」

 俺は、アーサーが支えてくれたから転ばなかったけど、相手は派手に転んだみたいだ。フードが脱げて金髪があらわになっている。

「大丈夫です」

 相手が慌ててフードを被ろうとする。

「え? その耳!」

 相手は深く被ったフードを強く手で抑えた。

「エルフ!?」

 相手が立ち上がる。走って逃げようとしたが、こっちの人数が多すぎて壁が出来てしまっている。

「え? 嘘! 本当にエルフ?」

 相手が怯えている。

「あ、大丈夫だよ。変なことはしないから」

 俺は、相手を落ち着かせるように言った。

「あの……どいてください……」

 うぉ! 声も可愛い!

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