三
長々と続くアナトの説明に、ルキウスが色々と訪ねている。聞きたいことは、ほぼ同じなので、ルキウスにここは任せた方がいいかな? と思っていたら、説明が終わる。「よし! これで俺も異次元ポケットの持ち主だ!」
「がんばれー!」
ルキウスの応援を背に、俺は次元の展開を始める。お、おぉー! ちょっと開いた! でも、アナトみたいになんでも詰め込めるほどじゃない……。
「まぁ、次元のことをよく知らないのに、ここまで出来るなんて、大したものだわ」
「いやーそれほどでも……」
うん。もっと行けると思ったんだけど……。
「とりあえず、今日はここまで」
え? まだあるの?
「残りは次の機会に!」
そう言うとアナトはご飯を食べ始めた。イシュタムはもちろん、アーサーもユーリちゃんも終わっている。俺たちは急いでご飯を食べた。
暇! 暇暇暇! ただ歩いているだけなんて暇! アナトに続きを教えてもらおうにも。ベッタリアーサーに取り付いているし……。自分se復習するしかないのかな……。
「ねぇ……。暇だし疲れた……」
「えっ、また? これじゃあ、三日どころか、一週間かかるわよ」
アナトが反論する。でも、俺、ニートだし、運動は全然ダメ!
「えー、だって、この娘の身体病気? だったんでしょう?」
俺は、この娘の身体のせいにする。
「しかたないわね……。もう少ししたら、街があるからそこで休みましょう」
「やったー!」
俺は休みを勝ち取ったぞ!
しばらく歩くと、街が見える。あそこまで行けば……。
「私が行きます」
アーサー! さすが王子様! こういうときは頼りになる! アーサーのおかげか、街にはなんなく入れた。
「さて、どうしますか?」
アーサーが次の行動を気にしている。
「そうね。まずは、どこか休めるところを探さ無いと……」
「それでしたら、先程聞いたのですが、良い宿屋があると」
「じゃあ、そこに行きましょう!」
アナトは現金だ……。イケメンの言うことにはホイホイと食いつく。でも、まぁ、ありがたい。
「んじゃ、そこへ行くってことで!」
「分かってる? 蒼真のために行くんだよ?」
「分かってるって!」
俺は、アナトにそう言った。まっ、俺、ニートだったし、仕方ないよね?
「では、行きましょうか」
アーサーの案内で移動する。それにしても、小さい街だな……。今まで居たところが帝都だったから、そう感じるんだろうか……。まぁ、休むだけなら街の大きさなんて関係ないけど……。




