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 そっか。そうだよな。俺よりも詳しい? かもしれないんだよな。

「魔法って凄いですね」

 アーサーが突然、訪ねてくる。アナトは変わらずベッタリとくっついている。

「あーうん。凄いだろう?」

 俺は、俺の手柄のように凄さを誇る。

「ああいうことが出来るなんて、初めて知りました」

「まぁ、化学式とこの娘の魔力? によるものだけど……」

同じく、アーサーが隣へ座る。アナトも一緒に座る。イシュタムは、まだ新しい技? の開発に余念が無い。

「化学式は、詳しいことは分からないですが……」

「まぁ、俺の世界でもよく分かん無いやつが多かったな……」

 一瞬、アーサーが困った顔をする。

「どうも、見た目とも違いが……」

「あ、ごめんなさい!」

 うーん。なかなか難しい。俺、今は美少女だからな……。

「それより、休憩するなら食事にしませんか?」

「賛成! もう、お腹ペコペコだよ」

「じゃあ、ちょっと待っててね」

 アナトがそう言うと、異次元から食料を取り出す。

「イシュタム! ご飯にするよ!」

 声をかけると、イシュタムが喜んでこっちに来た。

「あ、私は干し肉を持っていますので」

「いいのよ。三日とはいえ、旅に必要なものは、持ってきているから、アーサーも食べて! もちろん、ルキウスたちもね!」

「ありがとうございます!」

「ありがとうございます」

 アーサーとルキウスたちは、礼を述べる。アナト……イケメンには弱いからな……。

「うん。美味しいね」

 確かに美味しい。温かいものはそのまま温かいし、冷たいものは冷たいし……。これ、どうなっているんだろう?

「ねえ、温かいものが温かいのはなんで?」

「それは、異次元では時間が止まっているからよ」

「え? マジ?」

「蒼真が次元に付いて分かっていれば、使えたんだけどね……」

 アナトが溜め息を吐く。

「じゃあ、教えてよ!」

「無理無理!」

「えー。無理かどうかはやってみないと分からないじゃん!」

「あ、私も知りたい!」

 ルキウスが手を挙げる。

「仕方ないわね……」

 やっぱりアナトはイケメンに弱い……。ルキウスが言うと聞いてしまう。そして、アナトは次元について話し始める。聞いていると、確かに今の科学では解明されていないことが出てくる。でも、分からないってほどじゃ無い。特にルキアスは目を輝かせて話を聞いている。

「へー」

 アナトの説明を二人して聞く。アーサーとユーリちゃんは、さっぱり分からないみたいだ。まぁ、俺もちょっとしか分からないからな……。

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