表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

69/147

十一

街へ出るって言っても俺一人だから。何も分からない。一人だと、何を食べても美味しくないな……。俺は串に刺さった肉を片手にベンチに座る。そういえば、向うの世界に居たときって何してたっけ? 寝たいときに寝て、起きたいときに起きてた。そんな生活だったな……。食べるものカップ麺ばかりで、ずーっとゲームしていた。

この世界に来てからの俺は、色々なことがあった。ほんの数日だけど、色々あったな。魔法に釣られて外へ飛び出してみたら、色々ありすぎで、返って困る。元々、好きでニートを始めたわけじゃないけど……。

俺は、ニートになったときを思い出していた。最初は、論文の盗作疑惑だった。俺が一生懸命に書いた論文を、友人だったと思う……。に盗作された。それだけならまだしも、俺を盗作呼ばわりしたんだ。それは、周りじゅうに広まって、俺は大学へ行け無くなった。俺は、何も悪いことはしていないのに……。       

 最初のうちは。休学扱いだったけど、そのうち両親も諦めたのか退学になっていた。それまでは、まだ大学に戻れるかも? と、淡い期待を抱いていたが、完全に復帰の道も閉ざされてしまった。それから、明け方、眠くなったら寝る。昼間、起きたくなったら起きるという生活を初めて何年だろう? もう、分からないや……。

「うーん……」

 俺は背伸びをする。今の生活も悪くない。こうして、外へ出られるし、なんと言っても最強の魔法使いだ。すべて、化学式で魔法が決まる。知識はある。大学で勉強をしてきた。それが役に立つ? というとなんだかあれだが……。まぁ、それは置いといて、今の身体は、魔力? がたくさんみたいなので、将来は左団扇だ。魔法はまだ、未発達らしいけど、なんとかなる。俺には、将来養わないといけない人たちが居るからね。ほんのちょっとだけど、今の家族は気に入っている。俺、見た目は美少女だけど、中身は男だから男と結婚出来ないし……。色々と迷惑をかけるから、それでなんとか許してもらおう……。

「よし!」

 俺は立ち上がる。さっさとアナトのところへ戻ろう。戻って旅支度だ。なんか俺、今はやる気に満ちている。なんか俺、今はやる気に満ちている。今なら何でも出来そうな気がする。気がするだけかもしれないけど……。こういうのって、そう思うのが肝心だよな? とういうことで、俺はそう思うことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ