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「おはようございます」

無難に俺も挨拶をする。それにしても、こっちの人間なのか……。それなら何で俺の世界の言葉を知っているのだろう? やっぱり聞いたみた方がいいかも? ちなみに、イシュタムには何も期待していない。俺がなんとかしないと……。

「えーっと……」

 うーん……なんて聞けばいいんだ? ストレートに、なんで俺の世界の言葉を知ってんの? かな……。

「はい?」

「その……アーサーは……」

 いざとなると、言葉が出てこない……。思わず唾を飲み込む。

「こっちの人だって分かっているけど……その……」

 なんで俺の世界の言葉を知ってるの? って聞いてっも大丈夫かな? アーサーがなにかを考えるように視線を反らす。

「聞きたいのは。なぜ貴女の世界の言葉を知っているのかですか?」

「えっ?」

 驚いた。アーサーの口から言われるなんて……。

「そうなんですね……」

 思わず俺は頷く。

「夢を見ます。夢の名かで私は、一人の少年になっています。秋鹿優真です」

 えぇっー! なに? それ、どういうこと? 

「彼には一人兄がいました。名前は秋鹿蒼真です」

「俺……?」

「やはりそうでしたか。ソーマって名前、こちらではあまり無いもので」

 これって偶然? 

「でも、確信はありませんでした。性別も違うし……」

「あ、これは……空いている身体がこれしかなくて……」

 言い訳みたいなことを言う。

「俺も出来れば男…が良かったけど……」

 あぁ、男が良かったけど、まぁ、今の美少女もなかなかイケてる。

「あっ、安心してください。秋鹿優真の中に居るだけで、一切、干渉は出来ませんから」

「そう」

「それでも。色々と勉強は出来ます」

 勉強か……。偉いな……。

「なんで、私があの世界へ行けるのかは分かりません」

 あぁ、そういえば弟に……。なんでだろう?

「イシュタムなんでだか分かる?」

「分かんない~」

 あぁ、イシュタムに期待した俺がバカだった。

「そういえば、兄が亡くなったこと弟さんは、いたく気にかけていました」

「優真が?」

「はい」

 いつも何かを言いたそうに俺を見ていて優真……。

「そっか……教えてくれて、ありがとう」

「いえ……」 

 あの世界を夢に見るアーサー……。少し羨ましいかも? 俺は、夢でも戻れることはないからな……。

「ありがとう……あの世界のことを聞けて……嬉しかった……」

 少し涙目なのがバレないように礼を言う。

「いえ。何かあればいつでも言ってきてください」

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