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よく分からないが、イシュタムの中では俺は出かけることになっているらしい。

「俺、出かけるなんて、一言も言ってないけど?」

「え~違うの~?」

「……違いません」

 素直に認めておこう……。

「なんかさ。テレビもゲームも無いから、部屋にいてもすることないし……」

 イシュタムは、俺の言う事を聞いているのかどうか分からないが、話を続けた。

「アナトがあんな風」だから、一休みしてるけど、はっきり言って暇」

 本来なら、とっくに旅? に出ていたんだよな。俺、ニートだから外に出たくない。でもそれは、テレビやゲームがあってこその生活だった……。ゲーメ懐かしいぜ……。

「んで、どこいく?」

「え~決めてないの~?」

「うん。決めてない」

 はっきり言って、ここが大きな街しか分からない。どこになにがあるのか、イシュタムの方が詳しいはず。

「しょうがないから、街をブラブラしようかな……って……」

「うん~いいよ~」

「よし、そうと決まれば出発だ!」

 俺とイシュタムは、とりあえず街をブラつくことにした。ついでに、この街のことも聞いてみよう。アナトは、死んだ魚のような目をして寝ていた。


 二人で街をブラウラしている。手には、なんの肉だか分からない串焼きが握られている。

「美味しいね~」

「うん」

 二人で肉を食べながら歩いていた。

「そういえば、ここってかなり大きいけどなんて街?」

「帝都だよ~」

「え? 帝都? ってことは、首都?」

「うん~」

「ほえ……」

 王子様が居るから、それなりの街だとは思ったけど、首都だったのか……。手にしていた肉の串が無くなった。次は甘い飲み物を手にする。

「甘いね~」

「うん」

 二人でほんわかしてしまった。

「そうだ!」

 前に聞いたけど、やっぱりなんか納得できないんだよな……。

「アーサーって異世界転生者じゃないの?」

「え~違うよ~」

「違うって根拠は?」

「魂が~こっちの人だもの~」

 えっ? そんなこと分かるの? でもそっか……。魂がこっちの人なのか……。

「じゃあ、なんで向うの世界の言葉を知っているんだろう?」

「う~ん。分かんない~」

「そっか……」

 やっぱり、直接聞いてみた方がいいのかな? でも、俺の勘違いだったりしたら……。それとも、向うの世界に付いて何か知ってるのかな?

「あ~」

「ん?」

「噂をすれば~なんとかだよ~」

 向うからアーサーが歩いてくるのが見えた。

「おはよ~」

「おはようぐざいます」

 軽くアーサーは頭を下げた。


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