十三
え? 通じた? こっちにもゴスロリって言葉あるのか? いや、無いよな……。イシュタム以外、あんな服装をしている奴、見たことない。とは言っても、この街に入ってからだけだから、今ひとつ自信が無いんだけど……。やっぱ、なんかあやしいというか、こいつ俺と同じでここに転生した奴なんじゃないか? なんだか、そんな気がする……。もしそうなら、なんて羨ましい奴なんだ! 超絶イケメンで騎士だぜ! 俺の超美少女も確かに良いけど、イケメンの方がいいよな? イケメンってだけで勝ち組だぜ! その上、金髪碧眼で騎士なんて、羨ましすぎる! まぁ、まだそうと決まったわけじゃないけど……。そういや、こういうのってアナトに聞けば分かるんだろうか?
そういや、アナトたちはどこへ行ったんだろう? 気になり人混みの中を見てみる。ゆっくりと見ていくと、俺の右側少し先に二人の姿が見えた。なんか、もの凄く夢中になってる。あれ、俺の事は忘れてるよな……。
「あぁ、あちらにいますね」
騎士のアーサーもアナトたちを見つけたのか、俺が見てる方へと視線を向けている。
「はい」
あ、そうか。アナトたちが見つかったから、一緒に捜すとか言うの断ればいいんだ。
「あの、二人とも見つかったので、もう大丈夫です。ありがとうございます」
そう言いながら、軽く頭を下げる。
「いえ。ちゃんと合流できるまで責任をもって対応させて頂きます」
「忙しいと思いますし、私なら大丈夫ですよ。向こうも見つけてくれますし……」
「このような混雑した場所に置き去りにして、なにかあったらと思うと……私の気が済みません。どうか、合流するまで共をお許しください」
アーサーが、丁寧に頭を下げる。なんか、すごくさまになってる……。俺が本当に女の子だったら以下略……。まぁ、アナトも褒めまくりだったからな……。女の子はこういうの好きなんだろうな。
「えっと……じゃあ、二人と合流するまで……」
「ありがとうございます」
もの凄く嬉しそうな笑みを俺に向ける。だから俺が女の子以下略。というか、男でも惚れそう……。なんかあやしいところがなかったら、俺も仲良くなりたいとか思ってそうだ。
その後は、アーサーと一緒に大道芸が終わるまで一緒に見ていた。それにしても、あの大道芸なら俺でも出来そうだ。終わった後、小さい女の子が籠を持って回っていたけど、結構、お金が入れられていた。これなら、いざという時に俺の魔法で稼ぐことが出来そうだ。




