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「そういう奴よ。何も考えないで行動してるっぽいんだよね……。おかげで、周りが困っているのに、まったく気にしてないし……」

「あぁ、いるよね。そういうの……」

 俺は、アナトを見てみた。こいつも、あそこまでじゃないけどそんな感じだよな。俺の迷惑とか、考えてないよな。

「それよりも不思議なのは、なんで仕事をしようという気になったのか……」

 アナトは、ちらりとイシュタムを見た。

「いつも、どんなに言われても仕事しないのに……」

「なにか気に入ったとか? 面白そうだったとか?」

「そんなことでは、あいつは仕事しないわよ」

「そうなんだ……」

 やっぱ、なんかあるのかな? アナトも結構、うさんくさいけど、あっちはもっとうさんくさい。

「そういえば、あのイシュタムも女神とか言ってたけど、この世界の神なのか?」

 俺の質問に、アナトは大きく溜息を吐いた。

「蒼真の世界よ。まぁでも、あいつのことは知らなくてもいいわ」

 俺の世界のなのか? あれか? 神さまにも部署とかあるのか? 俺の世界担当とか、この世界担当とか? だとすると、なんだか会社みたいだな。そういや、上司とかアナトは言ってたし、マジで会社?

「話は~ついたの~?」

 突然、背後から声がかかる。俺とアナトはびっくりした猫のように、その場で飛び上がるほど驚いた。揃って、恐る恐る声のした方へと視線を向ける。そこには、予想通りイシュタムの姿があった。

「話は~ついたの~?」

 まだ、丸太を抱えたまま、同じ質問をイシュタムはしてきた。これ、返答次第では有無を言わさずに殴られるってことか?

「え、えっと……まだ……」

 そう答えると、イシュタムは丸太を抱えたまま離れていった。わざわざ離れていくって、案外、律儀なのか?

「さすがに、躊躇無く丸太で殴る奴、俺は遠慮したいんだが……」

「私もしたいわよ……」

 なにかとても嫌そうな顔でアナトが答える。

「断れないのか?」

「私からはね……。上司の命令だろうし……」

「それ、本当に上司からの命令なのか? なにか辞令とかあるのか?」

「あるはずよ。それを確認すると、ますます断れなくなるけど……」

 アナトが溜息を吐いた。

「それに、命令があっても仕事しないやつなのに、命令無しで仕事しに来るはずが無いわ」

「なんで首にならないんだ?」

「女神は一柱のみ。他にいないからね。人手不足なのよ」

「それなら納得した」

「とりあえず、蒼真が断りにいって。それなら、もしかすると大丈夫かも?」

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